花好月圓

花好月圓 ( Elixir of love )
香港
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「花好月圓」の感想・評価・ネタバレ

  • changpian
    changpian 4 2013年9月20日

     台湾製DVDで鑑賞。1962年香港キャセイ製作の映画。今日は中秋節、何か月と関係あるものを、と思い、これを。だが、この映画は別名『新玉堂春』。京劇などで有名な『玉堂春』の話をリメイクしたものだ。  偶然ながら、若旦那(ここでは王景隆ではなく李景山とされる)が、杭州の町に遊びに出て妓女のヒロイン(ここでは玉堂春でも蘇三でもなく雲中仙とされる)と出会うのが中秋節とされている。男主人公が三万両を使い切り、乞食同然の姿に身をやつすところ、そして奮起して科挙に合格、状元となるところは原作と一致している。一方、雲中仙は李景山が帰郷した後、雇い主を訴えて三年間は客を取らなくてよい旨の判決を得たり、またそれにも関わらず沈洪(ここでは沈良)に嫁がされそうになるが逃げ出し、沈良も殺されずヒロインも殺人罪に問われない、といったところは原作とは異なる。もちろんヒロインが捕まって護送されるようなシーンもない。  ヒロインを演じる葉楓はキャセイを代表する女優で、美人で歌もうまくパーフェクトな女性なのだが、葛蘭と尤敏に挟まれ、損をしているかもしれない(この三者が共演した『星星月亮太陽』は必見。強いタイプに見える葉楓は当然月ではなく太陽役だが)。で、強い現代女性を演じるのが得意の彼女、時代劇(古装戯)はやや魅力を発揮できていないかもしれない。が、これはこれで悪くない。特記すべきは彼女の歌。葛蘭の影であまり知られていないが、彼女は正式なレッスンを受けていないようなのに歌がとても上手い。白光と似た声質だが、歌の上手さだけを比較すると葉楓の方が上だろう。さらに、この映画はこの当時流行の「黄梅調」映画であるが、独特の節回しを本人が難なくこなしている。当時の葛蘭も黄梅調にはほとんど挑戦していないことに鑑みると、ここで彼女が自分で歌っていることは高く評価すべきだ(ショウ・ブラザーズに移籍してからはほとんど自分で歌わなくなるが)。  一方の男主人公役の雷震。後の『花様年華』のマギー・チャンの上司役。若い時から髪の毛のやや薄い彼だが、このような時代劇(古装戯)ははまり役だ。沈良役の田青も狡賢さを前面に出し、よくはまっている。王萊は妓楼の女将、悪役だが、ちょっと美人すぎるかも。音楽担当は姚敏、楽曲の数は少ないが黄梅調もそつなくこなしている。  そんな訳で中秋節の晩に見たこの映画、中秋節も登場しタイトル通り月も丸くなるハッピーエンド。独自の『玉堂春』解釈が楽しめる佳作だ。

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