
『家族の灯り』のスタッフ・キャスト
『家族の灯り』の感想・評価・ネタバレ
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ザッツ戯曲!ですなー。家族それぞれに違う感情を演じさせて上手く交わらない不条理を表現してるって感じです。灯りがこの上ない贅沢だった頃のお話です。ホントにこれ、舞台劇で観てみたいな。 2015.7.21.鑑賞
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題名通り、ランプや街灯などの灯りが照らし出す薄暗い家族模様。まず油彩画のようなタッチと色調がすごくて、美術も撮影もどうやったらこんな風になるんだろう。絵としか思えないオープニングからびっくり。独白も台詞として語らせたり、舞台演劇(そこまで不条理じゃないけどやや別役実っぽい会話劇)を観てるような画面はずっと正面を向いて並ぶ構図が続くかと思えば、突然振り向く切り返しショット。要は最小限の演出で最大限に劇的な効果が計算されてる。嘆く母、耐える妻、抵抗する息子、嘘で逃れる父。ラストに差し込む光がまたなんとドラマティックなこと!先日お亡くなりになった最高齢監督マノエル・ド・オリヴェイラのオリジナリティには恐れ入るし、クラウディア・カルディナーレとジャンヌ・モローも未だ堂々の現役ぶり。