アクト・オブ・キリング
アクト・オブ・キリング
The Act of Killing
2012年製作 デンマーク・ノルウェー・イギリス 121分 2014年4月1日上映
rating 3.9 3.9
90 61

『アクト・オブ・キリング』の感想・評価・ネタバレ

  • mazda

    60年代のインドネシア、共産主義者の大量虐殺をおこなってたギャング達が昔を思い出し、なんの悪びれもなく当時の再現ムービーを撮るというドキュメンタリー映画。ドキュメンタリーにしてはあまりに衝撃が強すぎる。映像としてはいたって普通のドキュメンタリーだけど、出てくる人間の感性が同じ人間として信じがたく、あまりに強烈すぎる。感性が違うとかいうレベルではない。この映画の捉え方はいろいろあるだろうけど、率直な感想としてかなり胸糞悪かった。 基本的に私はなんでも抵抗せず観れる方だと思うのだが終盤の、おっさんに吐き気が襲ってくるシーンらへんから見聞きしてるうちに相当気分が悪くなってきて、気付いたらイヤホンをはずしていた。 何百人を殺した重さもわからず、ニコニコしてるのも腹が立つけど、それ以上に無責任に笑っていたはずの人たちが演じていくうちにあっさり涙が出たり、その行動を体が自然と受け付けなくなっていることに異常に腹がたった。グロいとか気持ち悪いというのではなく、生理的にこの人たちを受け付けれなくて、見ればみるほどイライラして止めたくなったという感じ。(結局最後まで見たのだけれど) 今作の題材となった大量虐殺のことを私は一切知らなかったので、こんなナチスみたいな話がこの国にもあったのかっていうしょっぱなから結構唖然。インドネシアは一度行ったことがあって、ゆったりしててタイとかバングラデシュみたいにフレンドリーでニコニコした人ばかりで、だからこそこんな話無縁だと思っていて信じられなかった。 結局どこいったってこういう人間は必ずいるし、どの国もひっくり返してみれば同じようなことをやってきているから、この事でお国のイメージを決めたくはないけど、知らなかったぶんイメージとの差がすごすぎてものすごくショック。残酷なのは、この虐殺者達がインドネシア人らしいあったかいニコニコした表情をもっていること。結局殺害された人たちと同じように人間だから、涙が出るのも体が受け付けようとしないのも自然なことだと思うけど、そこで同じ人間だと認めざるおえなくなってしまうのが苦しい。認めてしまったらどこかで許してしまってるみたいで耐えられない。 アヒルを触る孫に、まだちっちゃいんだからもっと優しく触らなきゃだめだと教えるところは、どうしてそういう言葉が平気で出てくるのかと鳥肌がたつ。むしろ虐殺に罪悪感がないからこそ軽々しく出てきてしまった言葉なんだろうか。おっさん達が顔に塗ってるその血も傷も、必死に演じている悲しみも苦しみも傷みも、皮肉なくらいに安っぽくて。そんなもんじゃないからねって。そんな簡単に再現できることじゃないんだから。どんなにお金かけたって同じ感覚を得ることはないでしょう。考えていくうちに彼等が泣いていたのさえ演技に思えてきてしまう。アクトオブキリングだし。 虐殺は公然の秘密だというけれど、国やこのおっさん達に対して感じている思いこそ、実は公然の秘密なんじゃないかと思う。本当に彼等は周りから理解され指示されていただろうか。ドイツというよりもどちらかといえば北朝鮮っぽいかもしれない。国民の本音は少しも見えてこないけど。子供達は演技が終わっても泣き止まない、子供はストレートに意思表示するからすごくわかりやすい答えだったと思う。きっとみんな何が間違いなのか気づいていたはず。その上で国民も演じていたんじゃないかと思う。そう思いたい。

  • Mongorichop
    Mongorichop 3 2015年12月27日

    人間怖い

  • Tanaka_Hirofumi
    Tanaka_Hirofumi 4 2015年11月21日

    彼らは、いったい、何を、なぜ殺していたのか 自分が殺すべき対象が、生身の一人の人間であり、時に知人の親であったりすることでさえ、人間は無視することができる。 彼らが共産主義者であり共同体の敵であると思い込むことによって。 人間とは、社会とは、ということをとても考えさせられる ある条件が整えば、自分と同じ人間であるはずの相手を殺すことのできる存在 一方で家族や友人との時間を心穏やかに過ごすことを望む存在 日本では、自由、人権、平和その他を圧倒的多数の人が、一定以上、享受できているけれども、それは決して世界的に当然ではない この映画を見るまで、インドネシアという国で何があったのか、また、いまだにあり続けているのかを微塵も知らなかった日本人の一人として、私は、我が国を覆う無知と無恥を非情に危惧する。

  • s_p_n_minaco
    s_p_n_minaco 0 2015年10月13日

    全編、加害者視点なのが凄かった。自ら手を下した虐殺を武勇伝としてせっせと映画作りに励み、極彩色の芸術的シーンを作り出してしまう発想の飛躍があまりにもシュール。無自覚すぎて滑稽ですらある彼らはいわゆる「凡庸な悪」そのもの、ここまで正当化できてしまう恐ろしさ。けど、それはどこにでも誰にでも起こり得ることで、所詮1人1人は手先に過ぎないのがまたやるせない。あくまで平静を装い目を背ける者、当時の恩恵を疑いなく享受し続ける者、やがて芝居を通じてようやく客観視するようになる者、裁かれないからこそ因果応報に怯える姿。見せているつもりが鏡を見せられている逆説。図らずも映画や芝居という虚構が導く現実と、遠巻きに流れる冷ややかな空気にどんよりするばかり。

  • tora

    インドネシア本国でタブーとされているスハルト政権による9月30日事件を取り上げたドキュメンタリー。加害者達による寸劇や証言が終始異様なムードで進行します。本作を観て民兵組織があれだけの権力基盤を今だ有している事に衝撃を受けました。劇中に登場するプレマン達は勿論残虐極まりない訳ですが、彼らをあそこまで野放しにし残虐たらしめたのは、当然ながらお上の政治的な思惑ありきで、彼らに空気を入れた連中というのが存在するという現実。西側に対して閉じた政策をとっていたスカルノ(共産党からの支持を多く集めていた)を失脚させる為に天下のCIAが一連の騒乱の絵を描いていたという疑惑説も…

  • Ken-Chang
    Ken-Chang 5 2015年8月15日

    「殺人はいけないことだ、鼓笛を伴う大量殺人を除いて」という、誰かの一文で映画が始まります なんか似たようなのありましたね「一人殺したら殺人者、100人殺したら英雄」みたいな まさに1000人殺した英雄アルワンと愉快な仲間達が意気揚々と殺人シーンを演じるドキュメンタリー しかしあんなチンピラみたいな民兵組織を国を挙げて支持してるてどういうことなんでしょ??? テレビで殺人者達がワル自慢、女子アナが「共産主義者は殺されて当然ですよね!( ^,_ゝ^)ニコッ」てやってましたしねぇ… 極悪面のリーダーぽい人が中華系の人からカツアゲしたり、レイプ自慢したり、しかも「お前の地獄はおれの天国」ていうジャイアン的な発想をひけらかしたり、住むとこ違えばこれも一つ正しい世界なんでしょうか、狂ってると思うのは外側にいるからでしょうか 実際、冷戦時代に反共を掲げる内戦が起きたというのは西側諸国に都合のいい側面があって、そういう西側の思惑と支援や共産主義排除の大義名分の元、無教養なチンピラ達が「オレらなんか正しいことしてるやん!」て起きた虐殺事件、ということなのかな 撮影が進むと殺人者達の心境にも変化が起きてきまして、1000人斬りのアルワンが、自分が演じた"自分の殺されるシーン"を観て、「おれ、こんなことしてたのかよ…恨まれてるかなぁ…」涙ポロポロ… てアホか 撮影当初はヘラヘラ踊りながら演じてた実際の殺人現場でのシーン、最後は自己嫌悪で嘔吐に次ぐ嘔吐… てアホか 犠牲者と遺族を考えたらねぇ…何を今更…と思います せいぜい苦しんで生きるといいよ…(´・ω・`)

  • fuyu

    半グレ上がりの赤狩りが英雄ぶっているドキュメンタリー。確かに殺しまくりの残虐な奴らだが現代でも共産主義者って不穏分子扱いじゃない!? 残虐って思うのも現代の他国の正義感なんだよなぁ。当時の民衆だって赤狩りに酔狂してたんだろう。 それよりインドネシアって今でもあんな民兵集団がいるの!?そっちの方が怖いわ。

  • Tetsuaki
    Tetsuaki 0 2015年6月13日

    大量虐殺を実行した本人達が、再現を混じえながらのトンデモドキュメンタリー映画。 観て良かったがもう観ない… 終始胸糞が悪いがラストでちょっと救われた… 20世紀の負の遺産として、後世に残す出来事であり作品ではないか…

  • tmck3000
    tmck3000 3 2015年5月15日

    脅威のドキュメンタリー。異様で異常な世界とそれに気づいた時の衝撃。3.8

  • 闇とっとり
    闇とっとり 4 2015年3月27日

    インドネシア……おそろしいくに!!! と思わざるを得ない。のんびり南国をイメージしていたがここまで右派が伸長している国だとは知らなかった。スタッフのほとんどが「アノニマス」であることから相当の覚悟をもって製作されたと伺える。

  • Aki

    インドネシアで行われた大量虐殺の加害者たちにその再現映画を撮らせるというドキュメンタリー。映画なのか本当に行っている場面なのかよくわからなくなる、迫真過ぎて。 知らなかった史実を知れるので映画好き。

  • YU66 RAMONE
    YU66 RAMONE 5 2015年3月5日

    新体験ドキュメンタリー。 40年以上前の大虐殺を反省する事もなく、低知能の“THE 野蛮人”達は反省を述べる事もなく逆に驚きな発言や行動をするので終始胸くそが悪くてたまらない。 でも私たちと同じ人間、団体心理なのか誰もが流されてしてしまう側になるのか。 しかもアメリカ映画に憧れを持つ大量殺人者達はノッリノリで衣装や撮影場所選びをするので、こちらとしても嫌悪感がやがてはファニーと化する。 全てにおいてこんな映画は初めて。 観る価値があり、今も続くインドネシアの実情を知る必要もあるのではないかと。 パームオイルの製品は買わない事にします。 1点か5点満点か、勇気と正義に溢れる監督の為に後者を。

  • okdkstmp
    okdkstmp 4 2015年2月22日

    何ともキッツイ映画。実に生々しい。始めのうちは楽しげ自慢げに話していた英雄『プレマン』が、終盤に向けて変化が現れてきたり。リアル度が凄い。これを撮った監督は、こういう展開になると予想してたのだろうか。 いろいろと驚かされる中でも印象的だったのは、今も形を変えて『プレマン』が存在している、ということ。もともとインドネシアのことなんてよく知らないんだけど、ますます分からない(笑)。『パンチャシラ青年団』にしたって、青年団と聞こえはいいけどこれ極右集団じゃねぇの?しかもワル度高いし。みたいな。 演舞のシーンが非常によく効いていて、“映画”としての完成度を上げていたり、ちょっと観たことが無いドキュメンタリー映画でした。

  • Purazo

    エンドロールのクレジットがANONYMOUSだらけで、ああまさに今、現在の話なんだと恐ろしくなりました。 アンワル老人は今どうしているのかな…。

  • Kei Miyazato
    Kei Miyazato 4 2015年2月10日

    インドネシアでの大虐待の生存者に取材を進めていると軍部の妨害が、それならばと加害者側へと視点を切り替えて しかも当事者に虐待の再現をさせるドキュメンタリー、嬉々と演じたり誇らしげに証言をして英雄気取りなのに唖然とします いくら反省をしたって許す気になんてサラサラならなく、胸くその悪さしか残らなかった。

  • tmmyon

    このオヤジ、この歳になるまで「相手の気持ちを考える」という感情をどこかに預けていたんだろうか。

  • MasayukiShimura
    MasayukiShimura 5 2014年12月22日

    [殺戮、再演]軍によるスカルノ大統領の失脚後、インドネシアで広範囲にわたり繰り広げられた民兵勢力による殺戮。一説によれば100万人近くの犠牲者が出たとされるこの悲劇の加害者が、その当時を「再演」する模様を収めたドキュメンタリー作品。監督は、この作品がアカデミー賞にもノミネートされたジョシュア・オッペンハイマー。 評判が高かったのでぜひ観たいと思っていたのですが、予想以上の衝撃を受けました。なんと言っても、加害者にとっての「こちら側」の世界しか見てこなかった人物が、「あちら側」の世界を見る、そして追体験した瞬間とその際の思いも寄らない反応に心底からの震えを覚えました。 撮影する間は、あくまで黒子としてのスタンスをでき得る限り保った製作陣の忍耐力にも頭が下がります(全編を鑑賞した後に思いを致せば、特に監督はむちゃくちゃ言いたいことを我慢しながら撮影していたのではないかと思います......)。世界が一つの物語で成り立っているわけではないこと、そしてそれが具体的に何を意味するのか、もしくはしてしまうのかを今までにない形で提示した傑作ではないでしょうか。 続編にあたる『The Look of Silence』もMust Seeでしょう☆5つ

  • 保津稔
    保津稔 4 2014年12月19日

    異様な映画やった。よくこんなの撮ったな、て思う。恥ずかしながらこの辺の歴史に疎く、本作をきっかけに初めて調べた。必見。最後でほんとに震えた。自分たちと全く違う、別の世界に「悪人」がいるんじゃなくて、彼らもまた自分たちと同じ人間なんだと分かる。恐怖と希望を感じる。

  • southpumpkin
    southpumpkin 4 2014年11月8日

    ここ最近観た中で最も優れたドキュメンタリー映画だと思います。インドネシアの革命家が行ってきた差釣り津久野数々を自ら演じて映画にする過程を撮影した映画。初めは嬉々として殺戮を再現してみせる男は次第に自らの残虐性に気づいていくわけです。 映画では欠かせない悪役ですが、そのほとんどは映画的設定でありその映画を面白くするため彼らの思考は短絡化され、時に無理矢理詰め込まれます。しかし、悪役ですら我々と同じ人間であり、残酷な行為を行うまでに決して無理のない過程があります。悪役が自分の悪を認識する瞬間はとても恐ろしかった。 ところでエンディングではもらいゲロ注意です。オエオエしちゃいます。

  • mince

    1965年インドネシア虐殺。 この自由を愛する迫害者は罪に問われず暴力的民兵組織に尊敬を受け政権からも支持されている。勝てば官軍的な発言は恐ろしかった。「TheActOfKilling」@塚口4。ドキュメンタリといっていいのか。パンフは左翼のプロパ臭くて喰えない。2014年7月1日