
『罪の手ざわり』の感想・評価・ネタバレ
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抜群に見応えのある映画。 と書いてから日にちが経ち、思い返してみても そう思う。抜群。
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どうにも北野作品の香りがプンプン。 やはりオフィス北野が配給元でしたね。 一言で説明すると「このクソみたいな人生にバンザイ」っていう作品。 舞台は中国だけど、まあ中国だけでなく色んな国で抱える「貧富の格差」の中で喘ぐ人々を淡々と描く「だけ」。 何の救済もない、ってところが北野テイスト。 出てくる中国人はみなどれも「クソみたいな人生」だ。 救いようがない。 底辺の底よりまだ低い場所で喘ぐ。聞こえないけど上に向かって喘ぐ。 そしてその声は何処にも届かない。 生きていくのは大変で重くて苦しい。 そんな息苦しさを感じさせる作品でした。
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これもジャ・ジャンクーなんだけど、『世界』とは全然ちがう感じ。 4人の人達と「死」の話。しかも4人とも加害者なのが新しい。そしてこれまた感情移入が出来ない。『世界』の主人公の人がこっちにも出ていた。あ、この人と最後の青年の話はわからないでもないかな。 なかなかバイオレンスで驚きはしましたが、私は結構すき。
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現代中国の衛星都市。死について4人の事件。軽蔑からの怒りを義憤と信じ銃を取る男。妻子との生活を守るために手段を選ばない夫。婚期を失い不運の所を心に唾され暴走する女。良い事を探して放浪し愛をそれと信じかけた純朴な若者の末。"罪の手ざわり"塚口2。ざらざらしたものがずっと心に残る。
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オムニバスだけど何処かで繋がっていて、 そして丁寧な作り込み。 重たいけど、でも、面白い。
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始まりからかなりベビー
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予告編の期待を裏切らない良作。久しぶりに余韻を味わった。4つの物語の共時性に中国のいまを知る。見事な脚本、飾り過ぎぬ画力、心を揺さぶる音楽、すべて一級品の仕事。ジャ・ジャンクー、チャン・イーモーを超えるとしたらこの人か。
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ラストの京劇の結末が気になる。 途中、シリアスな場面なのに、お姉さんが急にカンフーな動きでつい襲撃したところで笑ってしまった笑
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目の前に起こることにただただ唖然としながら、話が進むにつれて彼らの生きる背景の憤りややるせなさや危うさ、のようなものに触れていくような気がした。最後に、この罪を許せますか、といったような字幕で終わり、ただ単に罪、として片付けられるものではないことを知った。エネルギーに満ち、頑強な印象の中国は、いまはない。なにかが違う、なにも見えていない、そう思った。
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2014/06/26 名古屋シネマテーク 思いのほか暴力描写が多かった。いろいろなエピソードが絡み合う感じだったがまとまりはなかったかな。オフィス北野配給だった。
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ゆるーくつながった4つのエピソードで見えてくる、一見豊かになった中国の、貧しい人たちの現状、叫び…。 ちょっと簡単に罪に走りすぎじゃない?と感じた部分もあったけど、 人間の衝動ってこんなものなのかもしれない。 中国、というか世界の今の姿を見せられた気がします。
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2014/06/07 シネリーブル梅田 中国の四つの地方を舞台に、「罪」に絡めとられた人々の姿を描く。四つのエピソードは基本的に独立しているのだが、登場するキャラクタが微妙に重なる程度のゆるい繋がりを持っていて、そこにもある種の「因縁」や「業」といったものを感じずにはいられない。各エピソードは実際に中国で起こった事件をベースにしており、いまや裕福な国となったはずの内部に渦巻く貧困や、生活様式の急激な変容が大きな影を落としていることを強く感じさせる。中国映画ではあるが、制作や配給に日本のオフィス北野が参加しているところも興味深い。今回初めて鑑賞したジャ・ジャンクー監督作だったが、他の作品も是非観てみたいものである。
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四つの都市の、地を這うようにしか生きていけない人々が描かれている。重苦しさと絶望感が残る。中国は病んでいる、と思った。