男はつらいよ 私の寅さん

日本
rating 2.8 2.8
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「男はつらいよ 私の寅さん」のスタッフ・キャスト

「男はつらいよ 私の寅さん」の感想・評価・ネタバレ

  • theskinheads
    theskinheads 3.5 5月19日

    前半部分のクオリティや、ボリュームが増加してトータルとしてはしっかりしてるのに、あまり身に染みるような部分がなかったようにも思う。それは個人的なものであるが。しかし、なんでもこの作品がシリーズ最高の観客動員数だそうだ。忘れな草で爆発した人気なのか、岸恵子の存在感なのか、はたまた偶然の産物なのか今になってはわからない。 九州の方に旅行に行くとらやのみんな。寅さんはお留守番。自分のことを実の子供のように扱ってくれたおじさんおばさんに、恩返しのつもりで旅行というプレゼントをする櫻。それには博の賛同もあった。自分だけ留守番になることが気に食わない寅さんに櫻が言った言葉がある。「本当は私とお兄ちゃんがしてあげなきゃいけなかったことだったのよ」。よくも櫻は毎度毎度、端的に人を納得させることを言うものだ。 後半は、マドンナとのお話。今回は画家をしている柳リツ子である。第一印象こそ悪かったものの、寅と仲良くなってからは逞しく生きる美しい女性であるように映った。満男の絵を見てあげる姿はとても素敵で、面倒見のいいお姉さんという感じだ。 もちろん今回も、恋は実らないわけだが、 ぽっと出の話で急にフラれてしまうその途中段階をもう少し見ていたかった。急に登場するリツ子の片思い相手の話と失恋話。そこで恋は終わったものの、その後にリツ子が寅さんの気持ちを知り、その後の振る舞いが今回の見どころであろうか。 友達のままでいましょうという提案に、「惚れた腫れたの感情は持ってない」という寅次郎。もちろん、リツ子にとってはそれが嘘だってこともお見通しなのだ。最後に櫻とリツ子が話しているシーンでの「バカね寅さん」。これが全てを物語っている。 スペインに旅立ったリツ子。お金がないはずなのに、どうして絵の勉強に行けたのか。そこは、もしかするとかなり暗い話かもしれない。劇中に登場する画商。あなたへの投資が赤字になろうとも満足という画商は下心が見え見え。日本に帰ってきてからのリツ子のことを考えるといささか不安である。 個人的には人間の生きてる証論争が面白かった。早い話が人間は食べるために生きてる。しかし、確かにこの世界で食べて行くのは大変なことだが、人間はそれだけじゃない。絵を見たり音楽を聞いたりするためにも僕たちは生きてるんじゃないのか。さしずめインテリと言われた博は本を読み理屈っぽくもあるが、とらやのブレインとして時に大きく機能する。