男はつらいよ 寅次郎夢枕

男はつらいよ 寅次郎夢枕

1972年製作 日本 95分 1972年12月29日上映
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『男はつらいよ 寅次郎夢枕』とは

同名人気テレビドラマ『男はつらいよ』の映画シリーズ第10作目。 前作『男はつらいよ 柴又慕情』に引き続き、脚本は山田洋次と朝間義隆が共同執筆。撮影は高羽哲夫、監督は山田洋次が担当する。主演は渥美清、共演には倍賞美津子、三崎千恵子、松村達雄。マドンナ役として宝塚出身、『朝霧』(1971年)の八千草薫を迎えた。本作は寅次郎にライバルが登場し、マドンナに告白される意外な物語である。

『男はつらいよ 寅次郎夢枕』のあらすじ

「フーテンの寅」こと車寅次郎(渥美清)は、晩秋の甲州を旅をしていた。旅先で出会った旧家の奥さん(田中絹代)から昔の仲間の悲惨な末路を聞くことになる。寅次郎は急に故郷である葛飾柴又に帰りたくなるのであった。『とらや』に戻ると寅次郎の部屋には大学の教授である岡倉金之助(米倉斉加年)が住んでいた。腹を立てた寅次郎のところへ、綺麗になった幼馴染の千代(八千草薫)が頼って訪ねて来る。ある日、千代に好意を持ち面倒を見ていた寅次郎に、岡倉が千代との仲を取り持ってほしいと懇願され、三角関係になってしまい寅次郎は頭をかかえるのであった……。

『男はつらいよ 寅次郎夢枕』のスタッフ・キャスト

『男はつらいよ 寅次郎夢枕』の感想・評価・ネタバレ

  • エミデブ
    エミデブ 4 2017年5月17日

    10作目という節目だからか ここに来て、寅次郎の恋愛に新たな方向性が加わる。今まで、片思いをしてふられることを繰り返していた寅次郎であったが、八千草薫演じる古くからの幼馴染、お千代を結果的には惚れさせてしまう。 とりあえず、例のごとく順を追ってストーリーを書いていく。 旅先から帰って来たことをとらやに入る前に気づかれてしまった寅さんはどうもみんなが自分の悪口を言っているように思う。わざとらしく寅さんを褒め称えるとらやのみんなであるが、寅さんはその優しさに触れ、同時に人を疑う自分の心に罪悪感を感じる。そのこともあって、所帯を持って落ち着いた暮らしをしようと考える寅次郎。とらやはもちろん、帝釈天の御前様まで宿泊する。寅さんのお嫁さん探しにみんなが奔走しているのだが、寅さんの評判は悪く、どこも断られてしまう。タコ社長にいたっては「バカにしてるのか」と怒鳴られ、取引先を1件失くしてしまう。 そんな散々な結果を話してる最中、電話が鳴る。どうやら縁談に興味があるようだ。なんとか寅さんの仕事や人柄を良いように伝えていたのだが、名前を聞いた途端やはり断られてしまう。 ここで気を悪くしてしまう寅さん。タコ社長と喧嘩を起こしてしまう。出てけと言われ櫻にすがる。「聞いたか櫻、俺あんなこと言われてんだぞ。にいちゃん何に悪いことしたって言うんだよ。この中で1番俺が辛い思いしてるんだ!そう思わねぇか?」 ここでいつものごとく泣かせる櫻の発言である。 「思うわよ。でも本当に辛いのはお兄ちゃんじゃなくておいちゃんたちの方かもしれないのよ」 確かに、名前だけで断られる寅さんはあまりに惨めだ。しかし、寅さんのためにと街を走り回り、自分たちの知ってる寅さんの良い面を伝えることさえ叶わず断られるとらやのみんなはきっと、やるせない思いをしたに違いない。その言葉が刺さり、家を出る寅。 ここから恋愛パートに突入である。御前様の甥である、岡倉先生が寅さんの部屋に間借りをする。なんでも東大でも何十年に一人の秀才であるそうなお堅い人物。悪いタイミングに帰って来るのが寅次郎。自分の部屋を奪われたことでまた癇癪を起こす。しかし、たまたま幼馴染のお千代と再会し機嫌を直すのだが、マドンナの登場はいつだって寅次郎の失恋とイコールなのだ。 昔を懐かしみ仲良くする寅次郎とお千代。しかし、岡倉先生はたまたま見かけたお千代に恋をしてしまう。勉強しかしてこなかった人生に初めて春が訪れ、恋の病という言葉そのままに仕事も放棄して寝込んでしまう。それを見て楽しむ寅次郎。そんな日々が続いていたが、ある日お千代には別れた旦那との間に子供がいることを知ってしまう。お千代とその子供の再会のシーンは涙無しには語れない。本当はずっといたいはずなのに、早く行きなさいと言う母の強さ。そこはあえて事細かに書くのは控えよう。むしろオススメしたいのはその後のとらやでのシーンだ。息子との再会によって傷ついてしまったお千代の気持ちを少しでも明るくさせようと夕飯に招待する。そこでは、息子というワードは禁止にしようと打ち合わせするのだが、、、。 岡倉先生にプロポーズの代行を頼まれる寅。それを寅さんからのプロポーズだと思って承諾してしまうお千代。照れながら返事をするお千代は乙女そのものだ。 承諾され、「あいつに伝えなきゃ」と寅次郎。寅さんからのプロポーズだと思ってたと返される。お互いにこれは冗談にしようと解決させようとするがそれはお互いにとって望まない結果になってしまうこれまた残酷な失恋なのだ。 せっかくの機会も流してしまう寅さん。幼馴染としてお千代と一緒にいたのか、それとも恋愛感情はあったのか。そこは観る人にぜひ委ねたい大切なテーマである

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