『紙の月』のsouthpumpkinの感想・評価・ネタバレ

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southpumpkin 4 2016年7月15日

銀行で働く平凡な女性が巨額の横領に手を染めていく物語。日活ロマンポルノに限りなく近い映画であるように感じました。家庭に押し込められ鬱屈した女性が、売春により自らを開放する『団地妻昼下りの情事』を思い出しました。本作は、外との交流もあり、一見して満ち足りた人生を歩んでそうに見えるのがミソ。深層心理的には『団地妻~』と似ます。夫演じる田辺誠一、危うい青年演じる池松壮亮との絡みがもう少しねちっこく描かれればロマンポルノの完成です。本作を入り口にロマンポルノってのがいいんじゃないでしょうか。 本作の面白いところは、個人的には小林聡美演じる女性との対比が描かれていた点。「幸せはお金で買えない」という言葉もありますが、それは些か安直なのでは、とも考えさせられる。宮沢りえ、池松壮亮の素晴らしさに隠れていますが、小林聡美の確かな演技力にもこの映画は支えられていると思うんですね。