
『一番美しく』のスタッフ・キャスト
『一番美しく』の感想・評価・ネタバレ
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戦時中、軍需工場で働く女子たち。非常事態により生産目標数が増加し、それによって女子たちは心身共に疲弊する。 黒澤明監督第二作目。戦時中の作品であることから当時の価値観を色濃く投影しています。前作もそうでしたが、時間経過演出は面白い。終盤の徐々に歌が小さくなる辺りは伏線も回収される映画的な演出でした。 日本国を支えるために、献身を美とする価値観には驚かされます。体調を崩したことをひた隠しにし、働き続ける女の子。だって休むとみんなに申し訳ないから…。現代と全く異なる価値観です。反戦教育として現代の「反戦映画」を見せることは良いと思いますが、次に見るべきは「戦時中の映画」だと思います。当時はこれを正しい、一番美しい、としてみんな生活していたんです。そんなたった75年前のそう古くない時代に思いを馳せて。