ブルー・リベンジ
ブルー・リベンジ
Blue Ruin
アメリカ
rating 3.6 3.6
24 17

『ブルー・リベンジ』のHM world-travellerの感想・評価・ネタバレ

HM world-traveller
HM world-traveller 3 2015年9月27日

多くを語らず、主人公の男の行動と現在進行形の『今』にフォーカスした描写は、復讐に駆り立てられる男の心理を痛々しくも静かに伝え、観ているこちらの心もひりひりしてくる。 復讐がテーマの映画というと、そのきっかけとなった出来事の内容や顛末をひととおり観客に見せるものがほとんどだと思うが、本作では動機など限られた情報しか示されず、きっかけとなった最初の事件がどういうシチュエーションで起きたのかの全貌は最後まで見えない。しかも、その出来事についてはセリフのみで映像は無い。ひたすら復讐を企み試みる今の行動を描き、セリフも少ない。主人公も特別頭が切れるわけでも、超絶強いわけでもなく、見た目も凡庸でオーラも全く無いけどそれがかえってリアリティを感じさせる。 当たり前のことだが、復讐は新たな復讐を生み、お互いの憎悪は斜面を転がる雪だるまのように増幅する。負のスパイラル。嵐の後のような静かなラストが痛々しくて悲哀と虚無感を含んだ余韻を残していく。。失ったものが大きくても断ち切らないと、また自分達に跳ね返ってきて更に何かを失う。淡々とした哀しくて寂しいラストに胸がつまった。