
『毛皮のヴィーナス (2013)』のスタッフ・キャスト
『毛皮のヴィーナス (2013)』の感想・評価・ネタバレ
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こちらは2人芝居。カメラが劇場へ入っていくと、脚本家マチュー・アマルリックが1人だけ。そこからは舞台という虚構世界だ。オーディションを受けに来たというエマニュエル・セニエが登場し言葉を発した瞬間、明らかに「演技」のスイッチが入るのがわかる。劇中劇と共に役や主導権が入れ替わり、意識と無意識、SとM、支配と非支配、欲望と怖れ、賞賛と批判、虚と実を曖昧に行き来する舞台上の2人。女神に託した願望を打ち砕く最後は、芝居に閉じ込められた哀れな囚人でもあり、自虐的に屈折したハッピーエンドでもあり。実は何重にも巧妙に仕掛けられた映画だった。Mが似合いすぎるマチューさんはポランスキー自身にも似ていて、その意味でも倒錯的。
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演出家とオーディションを受けに来た無名女優が創り出すサディズムとマゾヒズムの世界観に引き込まれた! 照明や舞台の小道具配置が全て完璧で完全なるポランスキーワールドが確立してました。 監督の妻でもある、エマニュエル・セニエの演技が凄いし、男の心を先読みして主導権を握る神業には脱帽・・・(笑)
(C)2013 R.P PRODUCTIONS – MONOLITH FILMS