ウンベルトD
ウンベルトD
UMBERTO D
イタリア 1962年10月1日上映
rating 3.8 3.8
4 1

『ウンベルトD』のsouthpumpkinの感想・評価・ネタバレ

southpumpkin
southpumpkin 3 2018年6月10日

20年住み続けたアパートを追い出されそうな老人は犬一匹を連れてイタリアの街を彷徨う。 男の体は年老いていながらも健康そのもの。しかし貧困は男を骨の髄までしゃぶりとり、社会性やプライドすらも削ぎ落としていく。僕たちは男がゆっくりと死んでいく様子を見守るしかない。辛い。男に最後まで残されるのは一匹の犬への深い愛情。他の人にとっては無価値かそれ以下の存在になってしまう事実を突きつけられながらも男はどこまでも犬を愛し続ける。そうしてあのラストシーン。どこまでもどこまでも幸せでいてほしい。 『自転車泥棒』でもそうですが、デ・シーカは最後に揺さぶらせるのがすごく上手い。『ミスト』もこの映画と同じ構成なんですね。 不思議な雰囲気があります。主人公じゃない(ヒロイン枠?)のメイドが朝起きて眠い目をこすりながらコーヒーの豆を挽く、というストーリーになんら関係のない映像を流しちゃう。なんの意味もないようで多分本当になんの意味もないのでしょうが、映画の中で確かに貧困が生きているような感じがあり尊い。