ウォーリアー
ウォーリアー
Warrior
2011年製作 アメリカ 140分 2015年9月19日上映
rating 4.2 4.2
30 14

『ウォーリアー』のs_p_n_minacoの感想・評価・ネタバレ

s_p_n_minaco
s_p_n_minaco 0 2016年3月13日

総合格闘技は好きじゃないけれど、この物語はボクシングやプロレスでなく総合であるべきなんだろう。構造はとてもシンプル。弟トム・ハーディ、憎き父ニック・ノルティをコーチに格闘家へ。兄ジョエル・エドガートン、家庭を守るためにリングへ。兄弟父子の背景ドラマをじっくり見せる前半パート、間にサクッと特訓シーンを挟み(分割画面が面白い)、後半パートは巨額の賞金を賭けたトーナメント大会。何しろ最初から、この兄弟がリングで闘うことはわかる。コロッセオ戦士によるギリシャ悲劇の如し。だからこそ、そこまでの時間の流れが太く濃く、物凄くパワフルだ。やがて静から動へとターンするエモーション。 暗い情念滾らせ本能的にブチのめすトムハ、追い詰められた時強さを発揮するエドガートン。打撃と関節、剛と柔。正反対でも似た雰囲気を持つ2人は魂と身体の説得力充分。自分は次女なんで弟の気持ちがわかるなぁ(兄姉ならば逆かも)。そんな彼らの父親ニック・ノルティは弱々しくも恐ろしく、その立場を「白鯨」と重ねる所がいい。もはや格闘技のビッグイベントが一家族の愛憎劇の舞台でしかないんだけど、何もかももう、あの言葉とあの「返事」のためにある。ああ、歓喜の歌!映画館で観てたらたぶんボロ泣き。 特訓シーン含めここぞと響くテーマ音楽が『ロッキー』みたいで。ロッキーはイタリア系ファミリアの物語、それをアイルランド系でやるとこうなるんだな、という映画でもあった。あ、若貴対決も思い出したが。