陽だまりハウスでマラソンを

Sein letztes Rennen
2013年 ドイツ
rating 3.3 3.3
11 10

「陽だまりハウスでマラソンを」のあらすじ

元オリンピック選手で伝説のランナー・パウルは、最愛の妻の病気をきっかけに夫婦で老人ホームに入居する。 忙しく働くひとり娘に負担をかけられないからだ。70歳を越えても心身共に健康なパウルは子供だましのレクリエーションや規則にとらわれる施設側の態度に耐えられず、ウン十年ぶりに走り始めることに。 目標はベルリン・マラソン完走!呆れ顔だった妻も、パウルの熱心な姿に影響されて名サポート役に復帰。パウルの若き日を思い出した元詐欺師で片思い中のフリッチや優雅で美しいジャンヌ・モロー気取りのモートホルスト婦人、バイオリニストの娘を自慢するはラビンスキー夫人など個性的でチャーミングな入居者たちはにわか応援団を結成し、ホームは賑やかに変わっていく。 ところが、大会が近づいたある日、妻が倒れるアクシデントが!最大の理解者を失って動揺するパウルを施設は「老人性うつ」と診断。自由に走ることすら許されない状況に。 果たしてパウルはベルリン・マラソンに出場することができるのか――?

「陽だまりハウスでマラソンを」のスタッフ・キャスト

「陽だまりハウスでマラソンを」の感想・評価・ネタバレ

  • HMworldtraveller
    HMworldtraveller 3 2016年5月29日

    【今日という日は残りの人生の最初の日である(Today is the first day of the rest of your life.)】これは米国の薬物中毒患者救済機関Synanonの設立者であるチャールズ・ディードリッヒの言葉で、映画「アメリカン・ビューティー」で使われたセリフでもある。この言葉を思い出させ、幾つになっても自分の人生に夢中でありたいと思う作品だった。 邦題から想像したのは、老いても人生に興味を失わず 楽しみつつマラソンにチャレンジするほのぼのムードの人生讃歌。実際は、人生讃歌には違いないけれど、介護問題, 家族との関係, 老人ホームのスタッフとの摩擦など容赦ない現実が織り込まれたシリアスな作品で最初は邦題とのギャップに少々困惑した。 主人公はかつてマラソンの伝説的選手だったおじいちゃん。妻と静かに暮らしていたが、その妻の病の重篤化に加え自身も高齢で介護がままならず、娘の強い勧めで2人揃って施設に入居する。認知症の入居者, お仕着せのカリキュラムの合唱や工作, ルーティンのように過ぎていく退屈で単調な日々。誰の立場で観るかによって見えるものが違う。 マラソンを完走する厳しさを知っている主人公パウルが施設の生活に居心地の悪さを感じる気持ちはわかる気がする。一方、高齢の両親を不安に思い施設を勧める娘の心情も理解できる。彼女にも生活や仕事がある状況下なら納得の選択肢だ。劇中では悪者のように描かれていた施設のスタッフ達。いかにもな感じのステレオタイプな偽善者ぶりは見ていて気持ちのいいものじゃない。けれど様々な症状や問題を抱える高齢者を預かる立場を考えた時 果たして彼らを責められるだろうか?それぞれの立場や事情を鑑みると解を見い出すのは一筋縄ではいかないとつくづく思った。 生き方や価値観は人それぞれ、環境も心身の状態も様々だから人生の最終章の在り方に唯一無二の解などない。けれど、パウルのヨレヨレぶりを見るとその挑戦は無謀でriskyなものに見えるし、娘目線で見ると人生を謳歌してほしい気持ちよりも心配の方が先に立つ。誰しも1人では生きられないことを考えれば周囲への迷惑や影響も考慮せざるを得ない。ただ、傲慢な言い方かもしれないが人生は自分のものだ。少なくとも、生き甲斐を感じないまま なんとなく時間を消費する生き方だけは避けたいし、好奇心や探究心を失わずいつも何かに夢中でありたいと思う。本作のパウルのように。今日は残りの人生の最初の日。でも最後の日はいつ訪れるかわからないのだ、例え若くとも。だから大切にしたい。 蛇足だけどレビューの内容の割りにスコアがあまり高くないのは主人公の設定が心に引っかかったから。1956年メルボルンオリンピックのマラソンで劇的な逆転で金メダリストとなったドイツの国民的英雄ということになっていたけれど、実際の優勝者はフランスの選手で、本作のパウル・アヴァホフという選手は架空の人物だった。物語がフィクションならフィクションでいいのだけど、オリンピックの優勝者という設定はいかがなものだろうか?実在した人物がいるのにあえてこういう設定にした理由がわからない。そんな設定にしなくても言いたいことは充分伝わるのに。

  • YU66
    YU66 2.5 2015年11月13日

    仲の良い老夫婦が愛し合い、信頼し合う姿にほっこり。 誰もが直面する老いによる日常生活の変化や苦労は、他人事ではなくいつ自分の親や自分が起こり得るかわからないのが怖く感じました。 でも幸せな笑顔や運動、仲間がいかに素晴らしく、人生を輝かせるかも知りました。

  • Miyako__Nagumo
    Miyako__Nagumo 4.5 2015年4月24日

    かつて五輪メダリストのおじいちゃんがマラソンに再挑戦……というハートフルな人間ドラマ…と思いきや…介護や家族の問題や高齢化問題やいろいろ、深い問題が見えかくれする…なかなか手強い映画。最後は気持ちよく終われるけど、なかなか手強い。 精神的な病は、まわりが勝手に型にはめて決めている、ということもあるのだろうか、病んでるのはどっちなのだろうか…。 一人の行動が、まわりに良い変化をもたらしたと考えるか、まわりを乱すと考えるか…。 チャレンジすることはすばらしい、というだけではない、何かを考えさせてくれる映画だったなあ。

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