
『百日紅 Miss HOKUSAI』のあらすじ
浮世絵師・お栄は、父であり師匠でもある葛飾北斎とともに絵を描いて暮らしている。雑然とした家に集う善次郎や国直と騒いだり、犬と寝転んだり、離れて暮らす妹・お猶と出かけたりしながら絵師としての人生を謳歌している。今日も江戸は、両国橋や吉原、火事、妖怪騒ぎ、など喜怒哀楽に満ちあふれている。恋に不器用なお栄は、絵に色気がないと言われ落ちこむが、絵を描くことはあきらめない。そして、百日紅が咲く季節が再びやってくる、嵐の予感とともに……。 江戸の四季を通して自由闊達に生きる人々を描く、浮世エンターテインメント! 時を超えて現代へ紡がれる人生讃歌の傑作が誕生しました。
『百日紅 Miss HOKUSAI』のスタッフ・キャスト
『百日紅 Miss HOKUSAI』の感想・評価・ネタバレ
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キャラクターが生きている生活圏の音や光、喧騒がよく感じられる作品だった。 人の動きが滑らかで、また物や草花の色使いも素晴らしく生気を感じた。題材が絵師、しかも天才絵師が登場するということで絵を描く動作が欠かせない。そんな中、迷いのない筆先やそこから立ち上がってくる画を堂々と見せる製作陣に感服。 時間的経過の表現(白紙の上に絵が出来ていく様)や、登場人物が見る現実と幻が地続きで成立するところはアニメーションならではだなあと感じた。それをやりきるって凄いなあと思った。 ただ、一つ一つのシーンは詩的で感性を揺さぶられるものの、ワンパックの映画として見ると連続性が薄く散漫な感じがした。 好きなシーンがある、北斎が病床の末娘を見舞うところ。床に付いたままの末娘が手を伸ばして父の頬に触れる。途端、父娘を残し背景がなくなる。知る父の顔、知らぬ娘の遊ぶ手…。ああ悟ったんだなあとわかる。背景の無くなり方は唐突で塗りつぶされた風。驚愕と同時に抗いようのない静かな諦念があるような気がした。 その父娘のシーンで夢十夜の第一夜が思い浮かんだ。夢十夜ストーリー形式も散り散りだし合ってるんじゃないかなあ、是非いつか夢十夜をアニメーションにしてほしいなあと思った
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前評判が高かっただけに、淡々とした(というかほとんど短編集のような)ストーリー展開に拍子抜け。 ただ日常の描き方は素敵。時代劇モノはつい今の時代と切り離して見てしまいがちだが、この時代に生きていたら自分もこうしていたかな、とつい想像してしまうほど、江戸風情を自然に描いている、と思った。
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葛飾北斎の娘のお栄目線で物語が展開され奇抜な親子関係だが口では罵っても北斎の絵を尊敬し絵師として自分の絵を極めようと鍛錬している毎日とそれを取り巻く人々の人情劇がアニメだからこその良さが出ていた。北斎の生き様も歴史として楽しめた。
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