
『夏をゆく人々』のスタッフ・キャスト
『夏をゆく人々』の感想・評価・ネタバレ
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養蜂を営む一家の暮らしが、なかなかしんどい。4姉妹と母と従姉妹に途中から預かった少年、そこに君臨する横暴な父親は当然のように子供たちを労働させてる。外の世界に心惹かれる長女は、TVの農家コンテスト番組に応募しようとするのだが…。ミツバチを操る少女と物言わぬ少年の口笛、洞窟のシュールなTVショウ、女神姿の案内役モニカ・ベルッチなどマジカルな要素が挟まれて、ゆらめく光を捉えた映像が神秘的。でも本当の地元民に見えるほどリアルな生活感、うち棄てられたような貧しい土地とそこを楽園と思いたい見せかけの理想、ラクダや流行音楽のギャップ。特にまだ無邪気な次女が切なかった。一家が現実と邂逅した後廃墟となった家もまた洞窟みたいだし、最後はまるで、ファンタジーとリアリズモの狭間に取り残されたような余韻が残る。
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20151101シネマリン
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