
『ボヴァリー夫人とパン屋』のスタッフ・キャスト
『ボヴァリー夫人とパン屋』の感想・評価・ネタバレ
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主人公のおじさんが常に傍観者でしかないのが、ぼくとだぶって見えてちょっと切ない(笑)落ち着いた映像でまったり観れた映画でした。
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近所に越してきた人妻に、愛読書「ボヴァリー夫人」を重ねて妄想するパン屋。フローベール作「ボヴァリー夫人」を読んでなくても何となく通じるし、とりあえずジェマ・アータートンがエロい。但しパン屋おやじの妄想は自分を主人公とするのではなく、あたかも文学の中に身を置いた傍観者視点。彼の目には人妻が物語と同じ展開を辿るのは必然で、だからこそ先回りしてヤキモキするのだが…最後にアッという結末を迎えるのだった。あの雪景色といい、いやあゾッとするようなブラックユーモアと毒(ボヴァリー夫人だけに)。何せ人妻ジェマを演じるのもジェマ、そこもメタフィクション。主演ファブリス・ルキーニ(フランスの橋爪功)のぼんやりと得体の知れぬ佇まいがさすがに巧い。 舞台が北部の田舎ノルマンディというのも「ボヴァリー夫人」というのも絶妙な設定で、日本で例えるなら津軽の米屋が<太宰の「人間失格」って読んだことある?>って具合だろうか。つまり田舎怖え。
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2016.6.16
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