ピクニック (1936)
ピクニック (1936)
Partie de campagne
1936年製作 フランス 40分 2015年6月13日上映
rating 3.4 3.4
5 6

『ピクニック (1936)』のHM world-travellerの感想・評価・ネタバレ

HM world-traveller
HM world-traveller 0 2015年9月7日

原作はモーパッサン、監督は印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワールの息子であるジャン・ルノワール。わずか40分の、未完成のモノクロ作品です。 柔らかくて流麗な筆のタッチや、揺らめく木漏れ日に代表されるソフトフォーカスがかかったような光で知られる印象派のルノワールの絵。それがそのまま目の前で動き出したような叙情的で詩的で絵画的な美しさのある作品でした。ゆったりと時間が過ぎる田舎の風景、風にそよぐ草、そばを流れる緩やかな川、心象風景を映し出す空と雲。モノクロなのに色が見えてくるかのよう! そしてブランコのシーン。単に、ヒロインがブランコをこぐだけのシーンなのに、グッと寄って見上げるように映したカメラの効果か、大きく揺れるブランコの弾むような躍動感とヒロインの笑顔がとても印象的だった。 なんてことのない家族のピクニックの風景と、そこで起きた、夏やリゾートでありがちな『出来事』。ストーリーに奥行きはありません。短いし未完成というだけあって、ここで終わり?というほどあっという間に終わります。ただ『凝縮の美』とでも言えばいいのか、私にとっては、絵画を見る時のように、作品に込められた製作者の思いを考えたり空気感を楽しんだり自分自身で奥行きを手繰り寄せるような、そんな映画でした。