
『百万円と苦虫女』とは
フリーターで実家暮らしの女の子がひょんなことから警察の厄介となり、実家を離れ各地を転々としていく青春ロードムービー。監督・脚本は『赤い文化住宅の初子』など女性映画で知られるタナダユキが務め、主演には『花とアリス』『フラガール』の蒼井優が起用された。共演にはピエール瀧、笹野高史、森山未來らが名を連ねる。本作で監督のタナダユキが第49回日本映画監督協会新人賞を、主演の蒼井優が芸術選奨新人賞映画部門を受賞した。
『百万円と苦虫女』のあらすじ
短大を卒業後、就職浪人となってしまった佐藤鈴子は、ウェイトレスのアルバイトをしながら実家で家族と共に暮らしていた。ある時友人からルームシェアの誘いを受けそれを承諾。しかし、ひょんなことから警察沙汰の事件となってしまい、家族にも迷惑を掛けることとなる。実家に居づらくなった鈴子は、「百万円貯まったら家を出ていく」と宣言。その言葉通り、百万円を貯めた鈴子は家を出て海辺の街で新しい生活をスタートさせたのだった。 うみの家でアルバイトをしながら、新しい人間関係にも恵まれた鈴子だったが、再び百万円の貯金が出来た時、仕事を辞めまた新しい街へと移り住むことを決める。こうして百万円を貯金するたびに引っ越しを繰り返す鈴子のおかしな生活が始まったのだが……。
『百万円と苦虫女』のスタッフ・キャスト
『百万円と苦虫女』の感想・評価・ネタバレ
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21歳(女)が逃げる話。すごく好きだった。 高校生の頃から観たいリストに入れてた映画なのだけど、今まで観ないでおいて正解だったなと。主人公と同い年の今だからこそ刺さる部分が多すぎて。 いじめっこたちとか嫌がらせする元同級生とか、いやこんな人いないでしょとか思って序盤はヘラヘラしながら観てたけど、海の家きたぐらいから一気にもってかれて、森山未來にとどめを刺されました。あんなん惚れないわけがない!!! ラストシーン、最高でした。
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人生踏んだり蹴ったりの女が家を出て、海、山、どこかの街やらを転々としその場その場で百万円稼いでいきます。心に壁を作り、人との最低限の交流で地味に生きていこうとする女…、いや蒼井優です。蒼井優がそのままに映画に出ているような感覚になります。バスに揺られのんびりと外を見ている横顔、仕事に疲れて帰宅しそのまま自宅に倒れこむ姿、ギュウギュウに愛おしくなります。そんな蒼井優が心を寄せるのがこれまた若き森山未來。森山未來のパートがなくても蒼井優のプロモーションムービー的雰囲気映画としてそれなりに面白いのですが…。 森山未來パートがいい。映画が始まってからじわじわと蒼井優に心を持って行かれているので、蒼井優と一緒に森山未來のことを好きになってくるんです。「最後、聞こえなかったんですけど」というエロすぎる言葉でオチます。目線が複雑に交錯し空間的な距離を錯覚させるラストシーンは鳥肌ものです。別れがあるから出会いがある、なんて月並みな言葉ですが、何度突きつけられてもグサグサきますね。
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好きな森山未來。