オマールの壁
オマールの壁
Omar
2013年製作 パレスチナ 99分 2016年4月16日上映
rating 4 4
10 7

『オマールの壁』の感想・評価・ネタバレ

  • Junichi  Nakamura
    Junichi Nakamura 0 2016年6月5日

    20160604 JB

  • mazda

    パレスチナに住むオマールの前に立ちはだかる数々の壁。オマールの壁はパレスチナとイスラエルの分離壁のことだけではなく、彼が自由を手に入れるために進む道に立つ、数々の試練のことをさしていた。 自分の生まれる国を選ぶことはできない、生まれてきた国がここだっただけ。どこに生まれようと仕事をもつ自由、恋愛する自由、意思を主張する自由があるはず。オマールは友達や恋人に会うために毎日分離壁をのぼって殺される覚悟で会いに行く。縛られた自由だけど、縛られた中で仲間や恋人と楽しい時間を過ごしていた、そんな生活の中でもっと自由になりたいっていう欲求が生まれるのは自然なことだし、張り裂けそうな主張も行動も否定なんてできない。 縛られた枠の中でも最低限の自由をもつ彼等からその最低限の自由さえ奪ってしまった時、どこにも誰にもぶつけられない怒り、どうしてこうなったんだという後悔、この国の不条理な仕組みに腹がたつ。その国に生まれてきたことも、大好きな仲間や恋人がいることも自然なことだけど、それらが壊されることは自然なことではない。恋人や仲間へ抱く怒りも、もはや全ての矛先はこの国にぶつけられる。 神は越えられない壁は与えないというけれど、彼につきつけられたその壁は越えられるか越えられないかという話ではない。ぶち破るしかなかった。生き方さえ縛られたような中で爆発した彼の意思を表したのがあの唖然とするラストなんだろうな。争いはつくづく人を苦しめる。

  • ブルーガール
    ブルーガール 4 2016年5月18日

    ハードな内容だろうと予想して観に行ったが(予想どおりではあったが)、主人公とヒロインの関係部分の描写がとてもリアル、かつ甘酸っぱいモノになっていて虚をつかれた。ヒロインの仕草一つ一つが可愛らしい。 それ故に、イスラエル占領下にあるパレスチナ自治区がその身に背負うプレッシャー、過酷な現実が対照的ににありありとスクリーンに描き出される。 無意味にBGMを入れたりせず全体を通して貫かれる静寂と、パレスチナの街の荒涼とした風景が印象的だった。

  • Ryosuke Ohba
    Ryosuke Ohba 4 2016年5月1日

    2016年の年間ミニシアター映画ランキング上位に食い込んで来るであろうパレスチナ発の傑作青春ミステリー映画です。ciatr世代はみんな好きなんじゃないでしょうか? 本作を「ミステリー」と称するのが適切かどうかはわかりませんが、ミステリーとしても観ることができることは確かです。私はどんでん返しにやられました。 占領下のパレスチナの若者のリアルを描く、というと、重いミニシアター映画だと思うかもしれせんが、本作はただ重いだけではありません。エンタメとしても楽しめる作品になっています。 どんでん返しがあると思わずに観に行ったがためにやられるところがなくはないですが、それを差し引いても素晴らしい作品だと思います。 そしてまた、恋愛映画としても非常に良くできています。 5段階で4.5寄りの4。是非観ていただきたい作品です!