レッドタートル ある島の物語
レッドタートル ある島の物語
The Red Turtle
2016年製作 フランス・日本 81分 2016年9月17日上映
rating 3.2 3.2
13 16

『レッドタートル ある島の物語』の感想・評価・ネタバレ

  • さくら
    さくら 4 2018年4月3日

    映画館で観ておけば良かった。生きること、命について、そしてあなたとわたしの、ふたりだけの世界のおとぎ話だった。 島からなかなか逃れられない男、その原因となる赤い亀、亀に怒りをぶつける男、果たして亀の意思は?と思っていたら不思議な展開に。償いなのか、それとも心からの愛なのか、執着なのか、彼や彼女の気持ちを考えてしまう。そんなやりとりを海は広く幻想的に見守り、与え、奪っていく。生かされているもの、死んでいくもの、永遠にあり続けるもの、すべてが繋がっていたこと、見えない大きな力を感じ少し恐ろしくなる。

  • satikuru
    satikuru 0 2018年1月14日

    ずっと美しい絵本を見ているような。 眠れない夜にひとりで眺めるのがいい。

  • とし

    外国人監督だからなのかこれまでのスタジオジブリ作品とは全然テイストが違った。フランス、ベルギーとの合作でアカデミー賞長編アニメーション部門にもノミネートされたのだがセリフはほぼゼロの表情や行動を見続ける映画。無人島での生活でいろいろ疑問が残った。なぜ亀は脱出しようとするのを阻止したのか、子供は巣立ってどこへ行ったのか、そもそもなぜ海の上で漂流していたんだろ?まあファンダジーなのであまり深く考えない方が良いのかもしれない。

  • ブルーガール
    ブルーガール 3 2016年10月22日

    サイレントな作りだが、こういう映画はちょっとしたBGMが良ければ一気に引き込まれる。そういう面では成功していると感じました。 題材は普遍的な人と人とのあり方をミニマルなロケーションで表現したもので、見ていていろいろ考えました。

  • S_Kyawai
    S_Kyawai 3 2016年9月23日

    点数評価するのが難しい… セリフも説明文も無い80分間。 正直、ワクワク感も泣けるほどの感動もなかったけど、決して退屈だったわけでもない。 宮崎アニメ=ジブリの印象が強いから、これがジブリ作品といわれてもイマイチピンとこない。 が、絵の繊細さとか音楽とかはジブリな感じ。 自然の雄大さとか人間の生命力+ファンタジー、描いているテーマ自体はザ・ジブリ。 そういう意味では久しぶりのジブリらしい作品といえるのかも。

  • mazda

    ジブリ初の外国人監督。全編80分間セリフのない、無人島で生きる男の物語。 素晴らしかった。生きていることを美しいと思える映画が本当に大好きだ。ジブリ好きに「ジブリとは」と言わせればいろんな答えが返ってくると思うけど、この映画を見た時、「そう、これがジブリ。」私はそう感じた。 宮崎駿が描くような、壮大で幻想的で魅惑の世界でもなければ、独特なキャラクターもまったくでてこない。感情移入するわけでもない。楽しいヴィジュアルでもない。それでもこの映画の描きたかったことというのは、『もののけ姫』や『風の谷のナウシカ』と同じような、生きていくこと、生きることと向き合うこと。そしてそれらを宮崎駿の表現とはまったく違う方法で、こんなにもシンプルにどストレートで伝えてくる。私の大好きなスタジオジブリ、でもまったく新しいスタジオジブリでもある。 生きているうえで、どんなことが起きるかなんて誰にも何も予測がつかない。例え孤独でも、生きている以上いのちに向き合っていくしかない。生きるって何かってそんな難しく考えることではない。暮らしていくということ、例えば食べることも眠ることも。愛する人がいるということ、出逢うこと、別れること、生まれること、何かを失うこと。たったこれだけで生きていくという道ができる。誰かと出逢うだけで生きる意味になる。これらを超える「生きる」があるだろうか、いのちがあると感じる瞬間というのは何よりも「生きていてよかったと感じる瞬間」なのではないか。 大好きな谷川俊太郎の『生きる』を思い出した。 "いま生きているということ" "それはのどがかわくということ" "全ての美しいものに出逢うということ" "そしてかくされた悪を注意深くこばむということ" "いまいまがすぎていくということ" "人は愛するということ" 今作と『生きる』のあらゆる言葉たちはどれもぴったりとはまるように一致し、そして同じように、多くの人々によびかけてる言葉だと思った。そして言葉なしでそれを伝えるこの映画が素晴らしかった。 後半からはずっと涙がとまらなかった。『草原の実験』を観た時の涙と同じ涙。何もなくなった島にまた草木が育つ姿に心打たれた。島が生きてるって思った瞬間だった。一瞬でなくなった島、それもまた自然なことで、自然の恐怖と自然の美しさが交わるように描かれて、その中で生きている人間がなんだか逞しく思えた。 一瞬で0になったものを、またひとつひとつ丁寧に積み重ねていく。それが生きてるということ。失ってもそれはマイナスではないのだと思った。生きるというのはいつだってプラマイプラス。 豊かな暮らしが幸福をさすわけではない。日々のあらゆるものに埋もれて見失いがちな根本的部分を、この映画はあらゆる要素をはぶいて、本当に必要なものだけでつくった映画なんだろう。だから美しい以外何もなかったといえるんだ。 何故監督がジブリでアニメーションをつくったのか、何故日本のアニメーションで描こうと思ったのか、その強いきもち全てが強く描かれていた。こんなにシンプルなのに、ものすごく力強い美しさ、すごく大切なことを教えてもらったような気がした。 他ジブリのような印象に残る可愛いキャラクターはいないけど、男についてまわるカニの群れはススワタリのように描かれて、これもまたジブリだ、って思った大事なキャラクターだったなあと思う。

  • HM world-traveller
    HM world-traveller 0 2016年9月19日

    叙情的で芸術的で感性的で詩的な作品。 自然の営みの前には人はちっぽけで無力に等しい。人は自然に育まれ、癒され、その恵みの恩恵を受けると同時に、自然に阻まれ、脅かされ、その力に命をも絶たれる。自然に学び、自然に寄り添い、最後は自然に還る。そして人だけではなく、自然それ自体さえも 形を変え、繁り、栄え、衰え、朽ち、滅びる。 生あるものは、いつか死を迎える。この世のすべてのものは 生滅し、常に移ろいゆくという「無常観」を感じさせる映画。どちらがいいとか悪いとかではなく、エンタメ作品とは一線を画する映画だ。 彩度の低い絵、面よりも線を強調した スケッチ画のような人物、一切セリフの無い作り。荒海に逆巻く波濤の怒号、渚を静かに洗うさざ波、草や木々のざわめき、森を抜ける風の音。会話が無いせいか おのずと 音に神経を集中してしまう。いつしか 自然が生み出す音に身を委ねて 「生きること」「生きていること」「いつかは死にゆくこと」を感じながら観ていた。 特に 劇中にある津波のシーンは 一瞬にして島を呑み込む脅威にはなすすべがなく ありのままを受け入れるしかない現実を思い知らされる。けれど 彼らはそこからまた立ち上がり 歩み始めるのだ。人間とは ちっぽけで でも かくも しなやかに強く 美しいのだと思う。 ただ この作品を純粋に好きだと言えない自分がいる。感性を揺さぶったのは確かなのだけれど。誤解を怖れずに言うと、これが30分の短編で ひっそりと自分の家で観ていたら 心象は全く違っていたのかもしれない。うまく説明できないので、スコアはつけないでおきます。