手紙は憶えている

Remember
2015年 カナダ・ドイツ 95分
rating 3.8 3.8
5 11

「手紙は憶えている」のあらすじ

最愛の妻ルースが死んだ。だが、90歳のゼヴはそれすら覚えていられない程もの忘れがひどくなった。ある日彼は友人のマックスから1通の手紙を託される。「覚えているか?ルース亡き後、誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように、全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい―」2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、大切な家族をナチスの兵士に殺されていた。そしてその兵士は身分を偽り、今も生きているという。犯人の名は“ルディ・コランダー”。容疑者は4名まで絞り込まれていた。体が不自由なマックスに代わり、ゼヴはたった1人での復讐を決意し、託された手紙とかすかな記憶だけを頼りに旅立つ。だが、彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった―

「手紙は憶えている」のスタッフ・キャスト

「手紙は憶えている」の感想・評価・ネタバレ

  • iwawawawah
    iwawawawah 3.5 2月7日

    メメントっぽいという前知識のみで昨年映画館にて鑑賞。認知症のヨボヨボおじいちゃんの復讐劇。おじいちゃんの危なっかしさについ応援したくなるけど、パニクったら手が付けられないし目が覚めたときに前の記憶がないからといってしょうがないでは済まされない非情さがあるので、そのへんがなんとも絶妙な感じ。鑑賞後は間違いなく暗い気持ちになります。

  • HMworldtraveller
    HMworldtraveller 4 2016年11月2日

    原題 Remember の意味は言うまでもなく『覚えている』あるいは『思い出す』だ。人の記憶というのは 健常者であっても結構曖昧なもの。年配者なら尚更だ。本作はナチスによる大量虐殺という普遍的テーマを扱いながら、記憶と忘却をプロットとして巧みに埋め込んでいる。ジャンル的にはホロコーストだけれど舞台は現代。忘れ得ない心の傷みと執念の 側面から戦争の爪痕を描いた作品だ。 アウシュビッツ収容所の生き残りで 今はアメリカの老人ホームで静かに暮らす年老いた男。男は足元もおぼつかない上に認知証が進みつつあり、つい最近 最愛の妻を亡くしたことさえ 忘れがちである。だが、そんな状態にも関わらず ある日彼は決意の元にホームを後にする。彼には人生最後の時間をかけて果たすべきことがあった。彼と同じく何とか生き延びることができた友人との約束で、家族を殺したナチス兵士を探して自身の手で復讐することだ。 90歳になる認知証の老人が復讐のために旅をするという危うさと不安。どこへ向かい何をしようとしているのかの自覚さえ たびたび失い、そのたびに友が書いた手紙を読み現実を突きつけられ 狼狽える。老体に鞭打って1人、また1人と訪ねる姿は痛々しいと言うより他に無く いつしか彼のシャドウのように同じ目線で観てしまっていた。 その後の顛末に触れるのはご法度な作品なので あまり多くを書けないけれど、やはり思うのは『戦争に勝者などいない』ということだ。後に残るのは沢山の死者と、際限のない憎悪や怨恨のみだ。そしてその傷みを外に向けてしまった時、不幸は再び後世に引き継がれる。 決して忘れるべきではない記憶や大切な思い出を 忘れてしまうのは とても辛く哀しいことだと思うし、その考えは変わらない。また、本作の主人公が見舞われる認知証と、健常者が忘れようとして忘れるものとを同列に語ることなどできないのもわかっている。けれども、時には( そして 事と次第によっては )、忘れる ”技術” が必要なんじゃないだろうか? 悲劇を繰り返さないよう戦争が悲惨だということは胸にとどめ、恨みだけを忘れるなんて芸当はできるはずがない。そう思いながらも、そんなことを考えさせられてしまう、、。Rememberという原題を眺めながら。

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