
『ワイルド・ギャンブル』のスタッフ・キャスト
『ワイルド・ギャンブル』の感想・評価・ネタバレ
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ポーカー、ドッグレース、競馬、ルーレット…ギャンブルと名のつくものを次々渡り歩く男2人のロードムービー。負け犬ベン・メンデルスゾーンは風来坊ライアン・レイノルズと出会ったことでツキが回ってくるのだが、彼が去るとまた負け地獄。ギャンブル映画といっても所詮は小市民的スケールなので、こういう奴いるよなトホホ…と呆れつつ憎めない。わかっちゃいるのにやめられない、猫背でしみったれて徹底的にダメ男なのに色気があるメンデルスゾーンがたまらん。豪華スイートルームにいて心底哀しそうな表情ときたら! そんな彼と切っても切れない相棒となるレイノルズもどこか影があり、虹を追いかける2人の旅は『真夜中のカーボーイ』を思わせたりする。それぞれ愛する女はいるけれど関係は希薄で、あり得るべきラブシーンもない(プラトニックな描写がまた良いのだが)。幸運の女神とされるはずの女性とはわかり合えず、命運を託すのは男同士なのだ。地味だけどなかなか味わい深い、確信的おっさんブロマンス。気の利いた会話と南部ブルースがよく似合う。