ミスター・ロンリー

Mister Lonely
2007年 イギリス・フランス 111分
rating 3.9 3.9
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「ミスター・ロンリー」のスタッフ・キャスト

「ミスター・ロンリー」の感想・評価・ネタバレ

  • aizome__
    aizome__ 4.5 2015年6月9日

    Mister Lonely (2007) / Harmony Korine ミスター・ロンリー 監督 ハーモニー・コリン さて、感想を書く前に質問がある。 あなたはまだ何かに憧れ続けているか? もしくは昔何かに憧れていたか? 今その時代のことをどう思っている? 黒歴史? もう諦めた? つまらない社会人生活に愚痴をもらしてない? あなたは神になったことがあるか? 一つでも考えたことがないことがあったなら、この映画を観る必要はないだろう。意味がわかるのなら、ぜひ見て欲しい。 映像がものすごく美しい。そこまで色鮮やかではないにしても、一点に鮮やかな色がパッと現れて目を負わせる。修道女 の空中遊泳、素晴らしい。これだけでも観るに十分だ。 さて、登場人物は、主人公マイケル・ジャクソン。そしてマリリン・モンロー、ジェームズ・ディーンからチャップリン、ローマ法王にエリザベス女王、リンカーンその他いろいろ! なんとも不可解かつ爆発力を持った登場人物設定。 だが実はそれぞれにみんな、単なる「モノマネ芸人」なのである。芸人とは言え、よくテレビに出てくるおもしろおかしい芸人さんではない。病的なまでにその人物になりきり、その人物としてしか生きることができない、極まった芸人たち。そんな彼らの共同生活と、普通とは違った生き方しかできない彼らの抱える苦悩を描き出したヒューマンドラマとも青春ドラマとも言える作品だ。 若者は青春期に、何者かになりたくてもがいている、なんてありきたりな言葉でまとめるには惜しい。 そんなありきたりさをぶっとばすくらいにミーハーなモノマネ対象がこの主題をわかりづらくする。 自分について考えても考えても何が自分なのかわからずに悶々と過ごす時期が私にもあって、どうにかして役割なり何かを与えたかった、生きる指標が欲しかった、私にとってはそれが映画や音楽を自分に与えることだったわけだが、彼らのそれは有名人になりきることだったわけだ。何かになった自分(自分ではない)しか信じることができす、けれどもイメージの中にしかいない自分(自分ではない)と、現実とのすり合わせが多くの摩擦を生み、苦しめる。 憧れるものそれだけを信じてはいけない。なぜなら憧れにあるのはその側面だけじゃないから。だけれど何にも憧れないことは生きることを諦めるときだ。それはもっといけない。 憧れつつ、認めているか?求めすぎていないか?自分で何かを変えようとする意思はあるか?探し続けているか?自分の人生を人に任せていないか? 理想ばかりで独りよがりになってにっちもさっちもいかなくなったとき、一人の芸人が死んだ。それを期に、主人公マイケルはマイケルじゃない自分としてようやく生きていくことを決めた。ようやく、側面を、周りを観ることに決めて、喧騒を行くのだった。

  • Moto_Ishiduka
    Moto_Ishiduka 4 2014年12月16日

    観たあと、思わず鏡の前に立ちたくなった。いろんな意味でね。 自分を受け入れられず偽りの仮面をかぶって生きるインパーソネーターたち、主役の男はマイケルジャクソンの仮面をかぶって生きてて、マリリンモンローの仮面をかぶった女と出会うんだけど、マリリンの住むスコットランドには二人と同じように仮面をかぶってる仲間がたくさんいて、その人たちと暮らしてるうちにいつのまにか自分を見つめ直すようになる。どんなに自分が嫌いで認めたくなくても仮面を外した自分で入る瞬間が人間にはある、その瞬間に注目してほしい。 "仮面をかぶって生きる"というのは、"キャラや役割をもって生きている"ことを暗示してるとおもったし、私もみんなもきっと社会で生きていく上で仮面をかぶるシーンっていくつもあるからこそ、より一層心にグッときた。 マイケルのラストの言葉をみたらきっとあなたも鏡の前に立ちたくなるはず。

  • gohanumai
    gohanumai 0 2013年7月11日

    DVDにて観賞 夢から目が覚めるような、観終わると寂しい気持ちになったけど好きだなぁと思った。本当は皆別々で孤独なのを大抵の人は知らないフリして「普通」に生きてるけど、そう生きられないならそれは孤独でも不幸ではないと思う(思いたい) 挿入歌がとてもよくて、特に最後の方の卵(?)に話しかけてる時の曲の歌詞に随分救われる思いがした。シスターの場面に切り替わる度ビクビクしてしまった…