中国の植物学者の娘たち

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「中国の植物学者の娘たち」のスタッフ・キャスト

「中国の植物学者の娘たち」の感想・評価・ネタバレ

  • HMworldtraveller
    HMworldtraveller 3.5 2015年7月26日

    中国でよくこの映画が撮れたなあと思ってよくよく見ると、制作国はフランス・カナダ。やっぱり、と妙に納得してしまった。 孤児院で育った女性と、女性が実習生として赴いた孤島の植物園に住む植物学者の娘の同性愛の物語。 雨に濡れた葉や土の香りが画面から匂い立つような欝蒼とした木々。品と風格を纏った建具や箪笥・茶器。溢れるオリエンタルな美に目を奪われた。一方で、劇中、今の日本には見られないような中国の封建的な風習や保守性も目に付き、寓話のような映像の美しさと対照的な現実を感じた。 それにしてもあの展開、舞台が中国ということから想像はついたけれど、同性愛は中国ではタブーで忌むべきことなんだとあらためて思い知らされる。欧米でさえ全く偏見が無いとは言い難いけれど中国のそれは欧米の比ではないんだろうな。。90年代後半からは非犯罪となったけれど、それまで同性愛行為は中国では犯罪として扱われていたことを知って、生々しさと切なさが増幅しました。 本作の2人はエロスを伴う同性愛というよりは絆という感じで、早くに母親を亡くした孤独な者同士、相手の中に自分を見たのではないでしょうか。自分と似た者を慈しむ、根本にあるのはただそれだけだと思うだけに結果は受け入れ難いです。 法規制は撤廃されてもメディアや情報の非公然の規制は根強いのでしょうね。この映画も、制作国に中国が入っていないだけでなく撮影の許可さえおりず、ベトナムで撮影したそうです。 気持ちが放たれるかのような中盤の湖のシーン、ラストの湖のシーン。2つの湖のシーンが美しくも印象的でした。

  • kenigon
    kenigon 4.5 2012年7月21日

    以下は僕が高校のときに書いたブログからの引用です。 (http://movie2007-50.cocolog-nifty.com/blog/cat13885365/index.html) 僕が昔ごくごく短い期間ヨーロッパやアジアの現代の文芸映画にはまっていたことがあるんです。というか、アカデミー賞やなんかの外国語映画賞をやたらきにしていたことがあるんです。『山の郵便配達』『初恋の来た道』『蝶の舌』『ニュー・シネマ・パラダイス』(これはちょっと前の映画ですが)『名もなきアフリカの地で』 その時期に小説を読んだのが「バルザックと小さな中国のお針子」というお話でして、ダイ・スージエ監督の小説家としてのデビュー作だったんです。ほんとうはダイ・スージエがやはり監督した映画版の『小さな中国のお針子』を見たかったんです。一回見逃してしまうと廉価版DVDがでないのでそのまま見逃してしまっていて。 ただ、小説の方で作風というか、雰囲気は知っていたので、今回も期待していたんです。 そして、予想以上にいい映画でした。 ダイ・スージエ監督は1954年福建省生れの53歳。中国から国費留学生としてパリに渡り、映像を学びました。そのままフランスで創作活動を続けている人です。文化大革命など中国のタブーをテーマにするので映画、小説ともに中国国内の流通が認められない、“中国が知らない中国人芸術家”なんです。ただ作品からは穏やかさがにじみ出ていて、決して共産党政府にたてついてやってるわけではないと思うんです。 今回の作品は1980年代の中国の山村の保守的な植物学の教授の娘と、実習生として教授にもとに身を寄せることになるロシアハーフの同性愛の話です。『バルザックと小さな中国のお針子』の中でも男女の性干渉がとても幻想的に描かれているシーンがあったのですが、そこではあまり直接的な表現は最低限にとどめてありました。今回のプレス用の写真を見てもあまり性愛をテーマにしているような印象を受けなかったので見る気になれたのですが、やはり、性愛はメインのテーマではなくて、純粋に愛情とか絆というものが描かれていました(僕のパソコンが“絵が枯れて今舌”って変換してくれるんですけど、ネタですよね?)。 それでも中国で同性愛はタブーなので、中国国内で撮影許可が下りなかったそうです。結果似た風景を求めてベトナムで撮影されたのですが、この風景の美しいこと。日本人としては東洋的な風景の方が作品に感情を移入しやすいかもしれないですね。 ぼくはもともと同性愛についてあまり抵抗がないのですが(いや、イケメン好きはそういう意味じゃないですよ、もちろん)、セリフが過不足なく、映像や音楽が美しいのですんなりと主人公たちの愛情を感じ取ることができました。社会的なテーマを描こうとするとどうしてもわずらわしいセリフが多くなったり、逆に芸術映画かぶろうとしてセリフが少なくて退屈になったり、この映画にはそういうところが全くなかった。ダイ・スージエ監督が脚本を書くのが本当にうまいんだと思います。『ブロークバック・マウンテン』も台湾出身のアン・リー監督が男性同士の愛を描いた作品ということで、どうしても比べてしまうのですが、『中国の植物学者の娘たち』を見てしまうと、『ブロークバック・マウンテン』は未熟な点ばかりの映画だったというように思ってしまいます。セリフの量も、友情が性愛に変わる瞬間も、ラストの展開も。なんかねえ、『ブロークバック・マウンテン』って“落ちない”映画なんですよ。ラストがなんか含みを残して終わる。見たときはあれはあれでありだと思ったんですが、やっぱり今になってどうも釈然としない。『中国の植物学者の娘たち』は悲劇的ではあっても起承転結の“結”がはっきりしている。『ブロークバック・マウンテン』のアン・リー監督も、『中国の植物学者の娘たち』のダイ・スージエ監督も「作品は普遍的な愛の話であって、たまたま愛し合った2人が同性だった」という趣旨のコメントをしています。 わりと空いてたんですけど、東劇ってえらいな、と思うのは上映中の作品の新聞・雑誌記事を膨大な数スクラップして張ってあるんです。そのなかで印象的だったのが東京新聞の夕刊が作品全編の詳細なあらすじをラストシーンも含め全部書いてしまっていたことと、夕刊フジが普通プレス用にでてないであろう、劇中ほとんど登場しないうちの唯一といえるような裸体のカットの写真を使って、そういう風にしか宣伝していなかったことです。この二つだけはほんとにKYですね。

  • satikuru
    satikuru 0 2012年6月4日

    女性同士の同性愛の話。アンの身体のラインが綺麗。けどそれよりも、映像自体がすごくいい。ノスタルジック。中国行きたいわ―。

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