スパルタの海

スパルタの海

1983年製作 日本 105分 2011年10月29日上映
rating 3.5 3.5
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『スパルタの海』のスタッフ・キャスト

『スパルタの海』の感想・評価・ネタバレ

  • southpumpkin
    southpumpkin 3 2017年10月16日

    家庭内暴力が絶えない青年たちはヨットスクールで地獄の訓練を目の当たりにする。 戸塚ヨットスクールを題材とした映画。死亡事故の発生により、製作当時は上映禁止となりましたが時を経てようやく鑑賞ができるようになりました。半強制的に連れてこられた暴れ狂う青年たちはまず木製の檻に入れられる。朝は早くから海岸でランニング、腕立て伏せ。少しでも気を緩めれば冷たい海に蹴り落とされる。常に怒号が飛び交うヨットスクールで青年たちは鍛えられていく……。この映画の面白いとことはヨットスクール側からの視点で描かれているという点。世の中には医学や社会の仕組みではどうにもならん奴らが存在していて、それらを更生するための必要悪として存在している、というのです。死亡事件については明確に反省しているものの、青年たちとの訓練は美談として語られます。これが外部(遺族やメディア)から描かれたのでは全く違う性質の映画になっていたことでしょう。 (以下ネタバレ) 最も顕著なのがラストシーン。更生した主人公は、自分の嫌いな食卓に人参が出たことでブチ切れていた青年の前に出された人参を美味しそう食べる。「今じゃなんでも食べます」という青年の心に人間性は存在しているのか。映画は立派な青年になりました、という展開です。しかし僕には洗脳がすっかり終わりました、となっているようにしか見えない。じゃあ彼らはどうやって更生してあげればよいのか、について明確な答えがあるわけではありませんが、決して暴力が正しいとは思えない。 自分の考えとは正反対の映画です。まるで反日映画を見るような気分になるはず。僕はこの映画の言っていることは間違っていると思うし、最も悪趣味なことだと思います。しかしそれが映画としては面白い。立ちっぱなしだった鳥肌は名作の証です。 伊東四朗がかなり良い。もう二度と伊藤家の食卓は観られませんね。

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