
『早春(1970)』のスタッフ・キャスト
『早春(1970)』の感想・評価・ネタバレ
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2018/02/04 名古屋シネマテーク
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公衆浴場で働き始めた少年は年上の同僚と出会い恋に落ちる…。 イエジー・スコリモフスキを知って数年、幻の傑作を劇場で鑑賞することができました。ラッキーとしか言いようがない。好きになった女が恋に奔放で、どうしようもない。少年の恋心に気づくもそれを弄ぶのです。しかしある思いがけない出来事がきっかけで共犯関係に陥る。女に余裕がなくなります。そしてクライマックスでは少年が女に対して初めてマウントを取る。女が諦めるあの瞬間が最高のカタルシス。心の童貞が爆発します。そうしてそのカタルシスは突き抜けもう誰もついていけません。プールが満ち始める圧倒的な疾走感が極上。もう既にあのラストシーンだけ観返したい。 水やガラスなど光の反射率が高い物質での演出はイエジー・スコリモフスキの十八番ですが、プールのシーンで発現。超きれい。あの看板を抱きかかえながら水に飛び込むシーンは自慰行為のメタファーなのでしょうかね。 個人的にずっと気にしているイエジー・スコリモフスキ映画の「犬と自転車」。自転車は重要な位置を占めていますが、犬はおまけ程度に出てきます。ワンちゃん可愛い。
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