
『さよなら、僕のマンハッタン』のスタッフ・キャスト
『さよなら、僕のマンハッタン』の感想・評価・ネタバレ
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NY今昔、ブッシュウィックからアッパーウェストサイドまでところどころ。漠然としか把握してないので詳しいガイドマップが欲しくなる。そんなニューヨーカー視点のご当地映画に、英国人カラム・ターナーが何故かハマる。知的なメガネと子犬みたいな瞳で微笑むナイーヴな自我の探求者トーマス。隣人で語り部のジェフ・ブリッジスがあまりに彼の代弁者なので、てっきり実在しない幻影なんだと思ったのだが、そうくるか。いちばん遠いのは理想と現実の距離。ギリシャ悲劇とありふれた喜劇の距離は近い。彼だけが自分の物語を知らず、無難だと思い込んでるけれど、誰かが誰かの物語を語るとき、街には魂が宿るのだ。って、ちょっと甘やかしすぎる気はするけれど。 サイモン&ガーファンクルに『卒業』 を彷彿、更にディランやルー・リードの曲も甘酸っぱく、若者を包み込むような優しさとヴィンテージの苦い味が混じり合う。シンシア・ニクソン、カーシー・クレモンズも好きだし、優しく繊細なニュアンスを全身で発するカラム・ターナーがとにかくかわいい。書店のガラスと同じ?タイトルフォントもすごく良かったけど、最後に出てきた本が思ったより随分薄くて拍子抜け。敢えてハードカバーでなくペーバーバックなのか。
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