ジョーカー
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『ジョーカー』のmoco02の感想・評価・ネタバレ

moco02
moco02 4 21日前

「悪のカリスマ」と聞くと、浮かぶのは愉快犯のように悪事を楽しんでるような、理解不能な感覚の持ち主。 ジョーカーもそういう類の悪役だと思っていた。 しかしジョーカーとなる、なってしまう、アーサーはもともとそういう人ではなかった。障害はあるが、優しくまっすぐな心を持った青年。 誰からも求められず、与えようとしたものは全て拒まれ、大人しくしていろと抑圧され、あげく黙っていても攻撃される。 むしろ彼の感覚、感情は容易に理解できる。まともな道は全て絶たれたから、彼はジョーカーになった。 ただ、彼がまだアーサーだった時には誰もそのことを理解しようとしなかった。 チャップリンを観て笑っている観客が出てくるシーンで、ああ、これは今「ジョーカー」を観ている私たちなのだな、と気づかされてしまう。なんとも苦しい気持ちになる。 とんでもない悪党、こうして映画になるくらいの何者かにならないと私たちはその人たちの声を聞かない。 「悪のカリスマ」だと、一人非凡な人間がいて、皆の憧れや讃美の対象になったりするイメージ、だけど、 この映画のジョーカーの悪はちょっと違う気がする。周りに波及するというか共鳴するというか。。 人の心を動かしじわじわと、でも確実に憎しみが広まってしまうのがわかって怖かった。 恐ろしい映画なのに、誰もが共感と後ろめたさを感じてしまうと思う。 あと、暗い背景にピエロのオレンジ(黄色?)が映える、カッコイイシーンがたくさんだった。 素晴らしかった!