ビール・ストリートの恋人たち

ビール・ストリートの恋人たち

If Beale Street Could Talk
2018年製作 アメリカ 119分 2019年2月22日上映
rating 2.8 2.8
7 5

『ビール・ストリートの恋人たち』のスタッフ・キャスト

『ビール・ストリートの恋人たち』の感想・評価・ネタバレ

  • s_p_n_minaco
    s_p_n_minaco 0 4月18日

    褐色に映えるイエロー&ブルーの温もりと、ブラック&ホワイトの冷徹な時代の記録。2つの家族、良いニュウスと悪いニュウス、不可能と可能性。聖なる真心と卑なる暴力。2人きりの時間と離れ離れの時間を行き来して、見つめ合いやがてガラスを隔て引き裂かれる2人の横顔。 ロマンティックなラブ・ストーリーと過酷な現実社会のレイヤーが折り重なり、一つの場面にもキャラクターと背景で聴こえる雨音やジャズ、ピアノや弦楽器、更にその舞台背景…と何層ものレイヤーの奥行きが濃密なエモーション。そんなすべてが混じり合って、例えるならバターとハチミツのしっとりした甘さに酔い、コーヒーとウィスキーの苦みが残る。そんな味わい。若き2人の行く末に何かしら救いや希望を求めたくなるけれど、結末は決して甘くない。2人が1人になり3人となっても、悲しいことにこの物語は未だ終わっていないから。 刑務所内や直接的な場面がない代わりに映画の肝となるのは、再会したダニエルとファニーの長い会話シーンだった。カメラは静かに2人を行き来し、1シークエンスの中でそれぞれの表情は明暗を行き来する。ダニエルが語る恐怖、『ムーンライト』と同様に視線だけでドラマティックなバリー・ジェンキンス監督の演出、ここが一番心に残った。 キキ・レインの可憐さと純粋さ、ステファン・ジェームズのドリーミーな眼差し。ティッシュの母親レジーナ・キングは登場した瞬間から目を引いたけど、強面に見えて愛情深い父も印象深い。映像の美的センスには当時のクールなジャズのアルバムジャケットを、または刑務所ビジネスのドキュメンタリーなどを思い起こした。

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