
『THE GUILTY ギルティ』のスタッフ・キャスト
『THE GUILTY ギルティ』の感想・評価・ネタバレ
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緊急通報司令室で電話番をする男。そんな男の退勤間際に鳴った電話は、誘拐される女からの着信だった。 ワンシチュエーション、電話先の声のみで展開されるサスペンススリラー。『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』と類似しますが、電話口で喋る人の言葉だけでなく、背景音にも工夫が凝らしてありグッド。さらにほとんどリアルタイムで展開されるため、緊迫感も十分に描かれています。「違う!そうじゃない!」となった瞬間の絶望感は異常。胃がギリギリと痛みます。オチはほんの少しだけ救われますが、『サーチ』並の大逆転劇でもよかったような気もする。欲張りだからもう一捻り欲しかったと思わせます。
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音と声だけのサスペンス。緊急通報指令室の小さな部屋で、画面に他にも登場人物は出てくるがほぼ主人公アスガーの一人芝居。何となく『ダイ・ハード』の匂いがしたらある部分がやっぱりダイ・ハードを思わせて、ひとりダイ・ハードっぽかった。但し、孤軍奮闘と独り相撲の紙一重。そっちじゃないよ気付けよ!とずっと思いながら観たので、ハラハラする緊張感というより、あーあ…という“やってもうた”感が。 とはいえ、その見込み違いがアスガーの人物像と大いに関わる。同僚への態度、やけに目につく薬指の絆創膏、やるせない倦怠感、3台の電話、3つの過ち。事件とは別に電話応対する彼自身の断片的な情報が読み取れ、やがてそれが事件とリンクしていき、タイトルの意味がわかる。言わばこれは事件と同様、アスガーの見えないインナースペースで進行する映画。 受信ブザーや電話口の声、雨音や物音、或いは応答しない相手といった音は注意深く作り込まれているし、ヤコブ・セーダーグレンの横顔も曰くありげで胡散臭いのが良い。ただ脚本で見せる映画としてコンパクトに練り込んであるけど、同時に作為的とも感じてしまう。何かもう一味欲しかった。
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象徴的な色が3色あり、最後の1色を見た瞬間戻れなくなります
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