
『呪怨(1999)』のスタッフ・キャスト
『呪怨(1999)』の感想・評価・ネタバレ
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学校の先生が学校に来ない児童の家へ家庭訪問をする。暗く汚れた家に子どもは一人でいるようだった。 平成が誇る邦画ホラーの傑作をようやく鑑賞。平成が終わる前に、と思いまして。怖がる対象が次々とスライドすることで群像劇的なオムニバスホラーになっています。無茶苦茶に怖い。不穏ながらも特別に何かが起こるわけではない前半、畳み掛けるように何かが起こる後半、そして何かを示唆させる不気味な幕切れ。 様々な仕掛けが施されているように思うのですが、気付いた点について。被害者からの視点にカメラが移り恐怖の対象を映す時、カメラが地面と平行にならない。これによって映像に奥行きが生まれ、奥行きが余白を産んで、結果的に想像を掻き立てるような恐怖に直結するのだと思います。平行にならないのは以下のような理由かと。「俊雄は子供なので身長が低く、さらに伽椰子もローアングルから攻めてくる」「舞台が狭い日本的住宅なので恐怖の対象に対して引きで撮れず、どうしても接近した絵になる」。日本を舞台にホラー映画を撮ろうとする者にしては、ある意味教科書的な映画なのではないでしょうか。 伽椰子は子供に名前をつけるとき「俊介」の一文字を受け継いだ、というのに自力で気付いてゾッとしました。