さらば愛しきアウトロー

さらば愛しきアウトロー

The Old Man & the Gun
2018年製作 アメリカ 93分 2019年7月12日上映
rating 3.3 3.3
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『さらば愛しきアウトロー』のスタッフ・キャスト

『さらば愛しきアウトロー』の感想・評価・ネタバレ

  • southpumpkin
    southpumpkin 3 2019年12月22日

    老いた銀行強盗は今日も警察に追われていた。そんな中で一人の女性と出会う。 名優ロバート・レッドフォードが自身の引退作として選んだ作品。銀行強盗を繰り返し、警察から追われる主人公はまさにロバート・レッドフォードが歩んできた映画人生そのもの。ロバート・レッドフォードは本作で見事、映画の中に生き続けることを決定づけたと言える。自らを取り囲む警官に向けて仮想銃を撃ったその瞬間、銃声が鳴り、映画が愛おしくてしょうがなくなるのだ。イーストウッドがブラッドリー・クーパーに引導を渡したように、レッドフォードはケイシー・アフレックに託しているように見える。二人の共演シーンは僅かだが、若き才能を見守るレッドフォードの優しい目は素敵である。

  • s_p_n_minaco
    s_p_n_minaco 0 2019年9月15日

    懲りないガチ(人でなし&人たらし)が追い求めるガチなロマン、これぞ正に正にレッドフォード集大成。華麗なる犯罪歴=まんまレッドフォード自身のキャリアを振り返るマグショットが男前すぎて笑ってしまう。若い頃の映像は過去の映画からの引用かな。ずぅっとジャジィな音楽がうるさいほど流れ続けて、しかもそれがベタに説明的で気になったけど、アメリカのトールテールを縁取る装飾と思えば悪くない。音楽は老いた銀行強盗フォレスト・タッカーと常に歩調を合わせ、テーマソングのように、いやお囃子のように犯行が進むにつれ高まっていく。スリルでハラハラするというより、彼のワクワク高揚する魂を物語るのだ。つまり音楽が止んでいる間(僅かしかない)は、彼が停滞している時間。 かつてレッドフォードが演じたのは、時代の変化や体制に背を向け自由を求めて逃げる(戦う、ではない)、やけっぱちの負け犬だった。けれど、この映画は80年代が舞台でも音楽はモダンジャズ、キンクスなど80年代以前だし、当時の時代色が殆どない。というか、敢えて具体的な時代描写を避け、むしろ70年代に寄せたルック(そのせいか観てる小型TVも白黒だ)。彼を時代が追い越していくのではなく、まるで「逃げ果せたサンダンス・キッド」のその後みたいに、タッカーはいつまでも往年の夢の中にいる(馬泥棒もしてるし!)。 そして、トム・ウェイツ、ダニー・グローヴァーと異色な顔合わせによる老人3人の強盗チームにそれほどバディ感もない。敵味方を超え結ばれた若い刑事との間ですら、レッドフォードは説教したりせず、所詮ケイシー・アフレックよりシシー・スペイセクのアドバイスを選ぶ。 デヴィッド・ロウリーはこの映画をレッドフォードに捧げる幸福なお伽噺にしたかのよう。レッドフォードはやはり「逃げる男」、強盗自体よりその逃げ様を描いている。そもそも真の相棒はポール・ニューマンしかいない訳で、ブッチ・キャシディ亡き後サンダンス・キッドが一人、それでも夢を生き続ける。追い掛けてくる時間やしがらみという敵をものともせず、レッドフォードは逃げ続けて逃げ切った。老いて永遠の理想を生きる彼の自己肯定感たるや。トールテールというより、もはやフェアリーテイルだ。 それにしてもレッドフォード、腰が悪そうな歩き方だったなあ。コルセットでガッチリ固めたように背筋だけはピンとしてるけど。

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