サウナのあるところ

サウナのあるところ

Miesten vuoro
2010年製作 フィンランド 81分 2019年9月14日上映
rating 3 3
2 0

『サウナのあるところ』のスタッフ・キャスト

『サウナのあるところ』の感想・評価・ネタバレ

  • s_p_n_minaco
    s_p_n_minaco 0 2019年11月3日

    冒頭の夫婦以外、登場するのは殆どおっさんたち。数人の仲間だったり、1人か2人だったり、男たちはサウナで語らう。しかも内容は結構シリアスなものが多かった。1人が切々と涙まじりに語る身の上話に、隣に座るもう1人は静かに相槌を打ちながら耳を傾ける。もちろんみな全裸だ。 ホモソーシャルな所謂「裸の付き合い」といっても、日本の温泉や銭湯じゃこうはいかないだろうと思う。フィンランドの至る所にあるサウナは森林文化というか、密室的で、この中だけに存在する秘密めいた関係がある。それはもしかしたら、茶室に近いのかもしれない(よく密談の舞台となるイタリアの公衆浴場もそうだが)。時折ジャーッ、ジュワーッと水を掛けるタイミングが映画的に絶妙な句読点で、それもまたサウナ独特の作法っぽい。蒸気と共に立ち上っては消えていく男たちの無防備な素顔。そして衝撃のクマ!!! 淡々と撮影されたようでも実に巧い構成編集で、いきなり自分語りした訳じゃないだろうし、それを引き出すまでじっとあのサウナで待ってたかと思うとなかなか大変だったのでは。最後に歌う普段着姿は心憎い、裸でないことが逆にハッとする演出だった。衣服や属性の下に押し隠さねばならなかった弱さや涙を一個人として解放できるのは、酒よりもサウナ。彼らはサウナを必要としている。そんな社会性が物哀しくもある。

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