気球クラブ、その後

日本
rating 3.1 3.1
37 10

「気球クラブ、その後」のスタッフ・キャスト

「気球クラブ、その後」の感想・評価・ネタバレ

  • theskinheads
    theskinheads 3.5 8月3日

    これを観て、青春時代から歩みだして行く物語と受け取る人もいるかもしれない、しかし僕にはとても切ないラブストーリーに見えた。 空に上がることに人生をかけた村上とその彼女ミツコが創設した気球クラブ。短い活動で解散してしまったメンバーが村上の死を期にもう一度繋がりそして離れ離れになる。 この映画を観た人は気づかなかった人も多いと思うし、忘れてしまった人もいるとは思うんだけど、なぜ誰も連絡が取れなかったミツコさんにミドリだけは連絡が取れたのか。その理由を考えると号泣してしまった。みんながアドレスと電話番号を消すという別れのシーンは、そんなことをしたことはないのに、その場にいるように別れの辛さと残酷さを感じさせるシーンで良かった。しかし、ミツコのこの想いがまさかミドリの電話に出たことだけで表現されていることがわかる後半のシーンは、園子温の中でも伝説的な名場面だったと思う。 ミツコは言う「気球なんて興味ない。私は彼が地上にいる私を見つけてくれるのを待ってるの」なんとなくポエム調な言葉だが映画の後半に描かれる回想で、それまで悪女のように見えた永作博美演じるミツコが、誰よりも純情で、誰よりも傷ついていたことがわかる。 だからこそ、クラブの青春感が色濃い映画でもラブストーリーに感じてしまったのだと思う。 この映画を作ることが若さだと思う。人との繋がりや、ただダラダラと過ごして行くなんとなく満たされない日々を描くというのは。このリアルさを描けるのが若くないとできないと言った方が正しいのかもしれない。

  • southpumpkin
    southpumpkin 3 2015年12月30日

    気球クラブの創始者が死んだことを機に、当時のメンバーが緩く繋がっていくお話。音楽の使い方、手持ちカメラなどは園子温っぽさはありましたが、派手さはありません。面白いわけでもなく地味ですが園子温の本流を感じることができます。『ちゃんと伝える』や自主制作時代の映画に通じる園子温史映画と言えます。 園子温のキャリアにおける区切りとした作品と言えるのではないでしょうか。多くの自主映画を仲間とともに撮影し、商業映画監督への道を見出そうとしていた彼が不要に感じたのは楽しかったあの青春時代だったのではないでしょうか。自分が映画製作に没頭した過去を気球に置き換え、さらに主人公を別の人間に置き換えて客観的な視点を加えていると考えます。 単に自分史的な映画に止まらなかったのは、あの携帯電話のネタにあるでしょう。残された組織にとって古い人間は立ち去るべき存在だし、さらに本人にとってもその団体からの決別は次への一歩を踏み出すにおいて必要なことだと感じます。いつまでも緩くダラダラとつながることができるようになった昨今。昔のように潔い別れというのができなくなっているのかもしれません。打ちづらい終止符を打つ潔さ。そろそろ青春時代に幕を下ろそうとする自分とも重なるところがありました。

  • Nagisa_Moriyama
    Nagisa_Moriyama 3.5 2014年11月11日

    園子温ぽくなくて良い 全員でアドレスを消すシーンが◎

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