冷静と情熱のあいだ

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「冷静と情熱のあいだ」のスタッフ・キャスト

「冷静と情熱のあいだ」の感想・評価・ネタバレ

  • HMworldtraveller
    HMworldtraveller 3.5 2016年4月24日

    【今一緒にいる人は一番好きな人ですか?】冒頭に出しておいてこんなこと書くのもなんだけど、これは最大の愚問だと思う。ためらい無く即座にyesと答えられる人にとっては「一番好きだから一緒にいるに決まってるだろ!」となり、そうでない人にとっては「それ聞いてその理由を掘り下げてどうするの?」となるだろう。観ながらついそんなことを考えた自分がいた。 辻仁成と江國香織による小説が原作。 主人公 阿形順正は絵画の修復士。良く言えば一途に1人の女性を思い続ける情熱的な男、捻くれた言い方をすれば過去を引きずり過ぎて未練がましい。元カレ元カノが忘れられないという気持ち自体はわかるけれど、学生から社会人となり交友範囲も行動半径も広がる時期の10年はとても長い気がする。あおいとの再会までは8年。この間ずっと彼女との思い出を反芻し、目の前の人とは本気で向き合えなかったというのだろうか。そこまで好きならなぜもっと早く追いかけない?お互い嫌いになって別れたわけじゃない、相手も自分が好きだと知っているはずなのに。「冷静と情熱のあいだ」の情熱は主に順正のことだと思うのだけど、その情熱のほとばしりを感じられたのは最後の数分のみだった。 一方のあおい。私は「冷静」というよりは臆病で、繊細と紙一重の弱さを感じた。順正についた嘘も詰まる所は彼女の心の弱さ。順正への潜在的な気持ちを隅に押しやり無理やり今の恋人に向ける様子は、順正とは違って一見 現在を見つめているようだけど、彼女もまた過去の自分の嘘と行動が招いた溝に囚われたままなのだと思う。過去に現実から逃避したがために その後ろめたさの呪縛から逃れられないでいる。 辛辣なことを書いたけれど決して嫌いじゃない。それまで溜め込むだけ溜め込み鬱積した想いのたけを その瞬間の情熱に転換したラスト数分は好き。アルノ川沿いの道、ヴェッキオ橋、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅。フィレンツェの街並みとエンヤの音楽。絵画の修復士という仕事。物語を包む要素もどれも美しい。 ラブストーリーはどうしても登場人物への共感度で評価が分かれてしまう。10年後にフィレンツェのドゥオモで会うという約束はとても素敵で、子供っぽいと思われようが心は弾む。だけど2人はこの先どうなんだろう。過去の思い出は美化されがちだという。一方 現実は甘いことばかりじゃない。10年を経て新たな門出に立った2人の想いが、これから少なからず出会うであろう現実の困難に駆逐されることなく 育まれるといいなと思う。”過去を取り戻す” 絵画の修復士という仕事のように、2人の関係もかつてのような輝きを取り戻せるだろうか。

  • ellie0728
    ellie0728 5 2016年2月4日

    フィレンツェの街にまた行きたくなる。竹野内豊に恋してしまった^o^

  • ShogoIoku
    ShogoIoku 1 2016年1月27日

    平成と昭和の間

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