ペイ・フォワード 可能の王国
ペイ・フォワード 可能の王国
Pay It Forward
2000年製作 アメリカ 123分 2001年2月3日上映
rating 3.8 3.8
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『ペイ・フォワード 可能の王国』のHM world-travellerの感想・評価・ネタバレ

HM world-traveller
HM world-traveller 2 2016年4月5日

【”幸せになるためのねずみ講” は社会を良くするか?】 中学校の社会科の授業で生徒達に与えられた「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら何をするか?」という課題。これに対して主人公トレバーが考えたのがペイ・フォワードだ。自分が受けた善意や思いやりをその相手に返すのではなく別の3人に渡す。ネズミ講と言うと聞こえが悪いけれど「思いやりの輪を広げよう」「人に何かをしてあげると回り回って自分のところにも返ってくる」というのがコンセプトだろう。 たかが (と、あえて言う)社会の課題なのに、自ら考えたアイデアを実践しようと必死になるトレバー。彼を突き動かし、そうまで必死にさせたのは、事実上 母子家庭であることや父親の暴力など彼の境遇から来るものが大きい気がする。人に親切にすることで最終的には自分もきっと幸せになれる。トレバーにそんな思考や計算は無かったと思うけれど、心の奥の、自分でもそれと気づかない”温かさや平穏を求める気持ち” が働いたように思う。 平凡な1人の少年のアイデアから広がるはずの幸せの循環。たが、現実は厳しくそうそう思い通りには事は運ばない。善意が相手に伝わらなかったり、伝わったところでその人が次に渡すとは限らない。それは充分過ぎるくらいにわかる。だけど、このラストにはどうしても納得がいかない。なぜ、こうなる?これではペイ・フォワードを否定しているように見える。ペイ・フォワードは時としてリスクを伴う、そこを殊更に強調している気がしてならない。この作品はそういうことを言いたかったのだろうか?決してそうじゃないと思う。 彼の行為で自分を改めた人がいる。少なからず影響された人がいる。そして現実は綺麗事ばかりじゃない。どれもごもっとも。それでも、私には、トレバーの行動や彼の努力が台無しにされたような気がしてどうしても受け入れ難かった。 高評価が多い中なんとなく肩身が狭いけど、自分の気持ちに正直に付けます。