17歳のカルテ
17歳のカルテ
Girl, Interrupted
1999年製作 アメリカ 127分
rating 3.6 3.6
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『17歳のカルテ』のHM world-travellerの感想・評価・ネタバレ

HM world-traveller
HM world-traveller 3 2016年2月15日

主人公の病名は境界性パーソナリティ障害。不安定な自己と他者のイメージ、自傷自殺などの衝動的な自己破壊行為、感情の制御不全、慢性的な空虚感、妄想など、多種多様な症状を示し健常者と神経症・統合失調症・鬱病の境界線上を揺れ動く障害とされる。 そもそも正常と異常の違いって何だろう?自殺や幻覚はまずいけれど、感情のコントロールが下手という程度なら そこら中にいるし、塞ぎがちとか自己否定傾向がある人もさほど珍しくない。正常と異常の境界は極めて曖昧だ。 主人公スザンナの症状も最初の自殺未遂を除けばその後は不安定ながら正常の範囲内にも見えるし、治療を要するレベルだと言われればそのようにも思える。原因は幼少期の家族との関係にありそうだけど それも不明確だ。強い感受性ゆえに感情の振り幅が大きいとか、奔放で自己主張が強いのが反社会的に見えたのかもしれないが、映画だけでは真実は見えてこない。 ただ、定義がどうあれ、社会生活には最低限の自己抑制や周囲との調和は必要だ。世の中が理不尽に見えても、そこで生きていくには自分なりのコントロール法を見つけるなり環境を変えるなりして折り合いを付けていくしかない。それには現実や自分自身に目を背けず向き合うしかないのだと思う。 ウーピー・ゴールドバーグのセリフが印象に残る。「自分で理解できない病気が回復すると思う?」というスザンナの言葉に対して彼女は言う。「理解してるでしょ。今はっきりと口にした。それをノートに書き留めなさい。吐き出すのよ。そうすれば立ち向かえる。」 彼女は他責にせず自分と向き合えと言いたかったのだと思う。 ウィノナ・ライダーは自身もかつて境界性パーソナリティ障害で、原作のノンフィクション小説を読んで心を動かされ、映画化する権利を買い取り主演を務めた。エキセントリックなアンジーの演技が注目されがちだけどウィノナ・ライダーの繊細な演技も良かった。