
『鍵 (1958)』のスタッフ・キャスト
『鍵 (1958)』の感想・評価・ネタバレ
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当時のフィルムは黒がパッキリしてて好き。その黒あってこそタイトルバックから障子の格子まで、バシッと決まった構図がいちいちカッコいい。あと市川崑の得意技なのか、ここぞというアップの決め顔がたまらん。京マチ子の細い眉の角度、叶順子の不敵な仏頂面。見えそで見せないマチ子様の豊満な肉体と白肌が観音様の如く神々しい。谷崎潤一郎の原作は殆どコントみたいだが(汽車のメタファーがベタ!)、シュールな台詞回しや乾いたエロスはまるでミケランジェロ・アントニオーニ。迸る美意識と不条理がクール!