
『3-4X10月』とは
北野武監督映画作品の第2作目。第1作目『その男、凶暴につき』の脚本が野沢尚だった(実際は野沢が不快に思う程、北野によって大幅に書き換えられた)ことを考えると、実質的にはすべて北野の手による初作品となる。主演は柳ユーレイこと小野昌彦。他にもタケシ軍団のメンバーが出演しているが、全員クレジットタイトルが本名で記載されている。ただの軍団映画と思われることに抵抗があった様。ヒロインはオーディションで石田ゆり子が選ばれた。
『3-4X10月』のあらすじ
ガソリンスタンドで働く何の取り柄もない雅樹。所属する野球チームの試合では何をやらせてもヘマばかりでチームから浮いた存在。周囲から野次られようがまるで感情がないかのように平然としている。試合が終わり職場に戻ると暴力団大友組、金井の高級車を洗車するように言われた。雅樹の要領の悪さにキレた金井が雅樹を殴り、やり返そうとした雅樹のへなちょこパンチは簡単にかわされた。しかし、これをきっかけに雅樹とスタンドは金井からの嫌がらせを受けることになる。雅樹は以前から頼れる存在だったスナックのマスター隆志に泣きつく。隆志は元大友組の組員で組長と親しく、なんとか話をつけようと大友組に出向いていくも……。
『3-4X10月』のスタッフ・キャスト
『3-4X10月』の感想・評価・ネタバレ
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『その男、凶暴につき』で鮮烈なデビューを飾った北野武が続いて撮った本作。何をやっても冴えない青年がひょんなことから暴力団組織と敵対することに。彼は銃をもらいに沖縄へ行き、そこで北野武演じる暴力まみれの男と出会います。 これはもう仕方がないネタバレなのですが、この映画全てが終わった後にほとんど全てが青年の空想であったことが判明します。そのつもりだったのか、映画全編通してリアリズムを逸脱した暴力に終始しています。横にいる女をとにかく殴る北野武もまた、青年の秘めた暴力性の発現ということなのでしょう。 映画としては北野武作品群の中で面白い方であるとは言いづらいのですが、北野武が溜め込んだ映画的なアイディアを爆発させています。ハッとさせられるカット、(おそらく)複数の映画からの引用などヌーベルバーグの映画を見ているようです。
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2012/11/28 3-4×10月 2012/11/29 復活 尾崎豊
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予告を見て、見た映画。 暴力、暴力。 時々北野たけし的な面白いシーンもあるんやけど、重い。