2015年海外批評家が最も高く評価した映画20選

2017年7月6日更新

映画を選ぶときに、人の評価など全く気にしないという人もいるでしょう。しかし、評価が高い映画にはそれなりのロジックや理由があるはずです。今回はwhatculture.comより2015年海外批評家が最も高く評価した映画20選を紹介します。

1.トコトン突き詰めたリアリズムを批評家が評価!?『ボーダーライン』

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督エミリー・ブラント主演『ボーダーライン』

Rotten Tomatoes 93%(レビュー数205) 

麻薬捜査官ケイト(エミリー・ブラント)が重大なミッションを遂行するために、メキシコの麻薬組織とアメリカの警察が激しいバトルを繰り広げる国境付近へ向かうことに。そこでケイトは惨劇を目撃することになります。

『灼熱の魂』で一躍注目を集め、衝撃のサスペンス『プリズナーズ』、不思議な世界観で観客を魅了した『複製された男』で実力を見せつけた監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ。彼が次にどんな作品を撮るのか?それは映画ファンの中で最大の関心事のひとつでした。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ最新作は人の心を強く捕らえ、観る人の心を揺さぶる映画『ボーダーライン』です。

麻薬捜査官ケイト・メイシーが主人公の映画、終始ダークな雰囲気で物語は進み、雷が落ちたかのように衝撃的な瞬間が訪れます。とことん突き詰めたリアリズムによって、ほろ苦いテイストの作品に仕上がっています。

エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロの素晴らしいパフォーマンスが今作を他の映画から数段上のレベルの映画に押し上げ、美しい映像や断固としたアプローチが批評家に受けているようです。

2.監督と主演女優の相性の良さを見せつけたスパイコメディ!?『スパイ(原題)』

ポール・フェイグ監督メリッサ・マッカーシー主演『スパイ』

Rotten Tomatoes 93%(レビュー数211)

『スパイ』は『ブライズ・メイズ 史上最悪のウェディングプラン』で知られるメリッサ・マッカーシーがスパイを演じているコメディ映画です。

メリッサ・マッカーシーがスパイを演じていることからも分かるように、今作には太っていることをネタにしたジョークが満載。監督は『ブライズ・メイズ 史上最悪のウェディングプラン』でメガホンを取ったポール・フェイグ、ふたりは互いのポテンシャルを最大限引き出すことが出来るようです。

何も考えず楽しめる素晴らしいエンタテイメント作品となっています。

3.クラウドファンディングで資金調達したストップモーションアニメ映画!?『アノマリサ(原題)』

チャーリー・カウフマン監督『アノマリサ(原題)』

Rotten Tomatoes 96%(レビュー数49)

他人と深く付き合うことが出来ない男が、出張中に全く知らない人物に出会うことで、少しづつ人生の意味を見出していくストーリー。

『マルコヴィッチの穴』『エターナル・サンシャイン』の脚本を担当、『脳内ニューヨーク』でメガホンを取ったチャーリー・カウフマンの最新作はストップモーションアニメ映画です。

悲しく、可笑しい、深い、ヒーローはいない、誰もが壊れた存在など、カウフマン作品に一貫したテーマが今作でも描かれています。

カウフマンがストップモーションアニメという手法を使ったことで、彼の頭の中で描いたありとあらゆる風景やイメージが細かいディテールまで具現化されています。

“キックスターター”というクラウドファンディングで資金調達したことでも話題になっていました。

4.メロドラマのようなプロットなのにメロドラマには仕上がっていない良作!?

tophelos 2015/09/05 テアトル梅田 残念ながら観逃したままの「東ベルリンから来た女」と同じ監督、キャストによる本作。第二次大戦後、アウシュヴィッツ強制収容所から奇跡的に生き延びた女性がひたむきに愛を問う姿を、サスペンスタッチで描いている。顔を負傷したために受けた整形手術によって妻本人であることに気がつかない夫との不思議で危うい関係は、ラストでひとつの結末を迎えるわけだが、それがどのような意味を持つのかは観た者の受け取り方に委ねられているように思う。主人公が声楽家という設定で、「スピーク・ロウ」というジャズナンバーが重要なキーとなっており、非常に印象的である。観逃した「東ベルリンから来た女」も是非とも観なくては。

クリスティアン・ペッツオルト監督『あの日のように抱きしめて』

Rotten Tomatoes 98%(レビュー数91)

第二次世界大戦が終わった直後のドイツが舞台、強制収容所で顔に大けがを負った女性が顔の修復手術を受け、全く別の顔に。戦争で生き別れになった夫と再会を果たしますが、変貌した容姿の妻に夫は気がつきません。

今作は興行的な数字だけを見れば大したことないものの、批評家から高い評価を得ている作品です。1961年にユベール・モンテイエが発表した小説を基に、クリスティアン・ペッツオルトがメガホンを取った作品、過剰になり過ぎず、抑えた演出で物語が進むサスペンスドラマです。

ある批評家は今作をこう評しています。

“クリスティアン・ペッツオルトの『あの日のように抱きしめて』はダークなメロドラマのようなストーリーを、メロドラマティックではない手法で描いている。”
引用:whatculture.com

5.完璧な公式を使って安定のエンタテイメント作品に!?

Ken_Chang MIシリーズでデパルマ版以来の星5です m9( ゚д゚)ビシッ

要因は二つございまして、一つはベッピンさんとトムが色恋沙汰にならなかったこと

もうキスシーンで終わるエンディングは飽き飽きしてんし、途中までそれを匂わせておりましたが、見事クールに立ち去ってくれました

逆にクールですよ、ええ

もう一つの要因はラスボスとの決着のつけ方がかなり秀逸でした

ちょースカッとします

秀逸というか、上手く機転利かせてヒーローの銃弾1発でバン!とか見飽きてますからね、これもどう決着付けるのかな〜と、裏で何やら仲間達がやってたので、そう来るとは思いませんでした

要するに5シリーズも続いて、先入観ありありで観てたので、展開を良い方に裏切り続けてくれました

オモロイ

クリストファー・マッカリー監督『ミッション:イン・ポッシブル/ローグ・ネイション』

Rotten Tomatoes 93%(レビュー数256)

『ミッション・イン・ポッシブル』シリーズは完璧な公式を基に制作されている作品です。(“カリスマ性(トム・クルーズ)+シンプルなスパイストーリー+激しいアクションシークエンス=お金”)

今作もこの公式に基づき製作され、成功は公開前から決まったようなものでした。ヴィランに関して言えば、少し改善の必要があったかもしれませんが、『ミッション:イン・ポッシブル/ローグ・ネイション』は安定感あるエンターテインメント作品に仕上がっています。

ある批評家は今作をこう評しています。

“5作目にして、クルーズはMIの公式を完成させた。シンプルなスパイストーリー、そこそこのコメディ、そして、とてつもなく長いにもかかわらず、それでもインパクトが途切れないアクションシークエンス。”
引用:whatculture.com

6.引退したクラシックピアニストを映像に収めた傑作ドキュメンタリー!?『シーモア:アン・イントロダクション(原題)』

イーサン・ホーク監督『シーモア:アン・イントロダクション(原題)』

Rotten Tomatoes 100%(レビュー数57)

ビフォア3部作などで知られる俳優イーサン・ホークが撮ったドキュメンタリー。輝かしいキャリアから退き、音楽教師としてつつましい生活を送る、クラシックピアニスト、シーモア・バーンスタインを映像に収めた作品です。

ドキュメンタリーとしては、少々イーサン・ホークの題材(シーモア)への愛情が映画に投影され過ぎている感はあるものの、シーモアを通して、情熱、クリエイティビティへの献身などをしっかりと捉えられています。

イーサン・ホークがこの映画を通して伝えたかったことは、とてもシンプルなメッセージだったのかもしれません。

ある批評家はこう評しています。

“人として必要な、職人気質、知的好奇心、共感、このアーティストは自分の声を届けるために声を荒げる必要などないことを知っている。”
引用:whatculture.com

7.根深い宗教問題を痛烈に描いてカンヌで絶賛された作品!?

ロニ&シュルミ・エルカベッツ監督『GETT: The Trial Of Viviane Amsalem(原題)』

Rotten Tomatoes 100%(レビュー数66)

ユダヤ教の女性にとって離婚はハードルの高いことのひとつ。“GETT”という絶縁状がなければ離婚できないことが大きな要因で、この絶縁状を書くことが許されているのは夫だけ。今作の主人公、ユダヤ教徒の妻ヴィヴィアンは離婚するために裁判を起こすことになります。

政治、性差別、家族、宗教など根深い問題を痛烈に描いた今作は、カンヌ映画祭で絶賛された作品です。

この濃密なドラマはスペクタクルに頼らず、素晴らしい脚本とパフォーマンスによって映画のクオリティを高めています。

ある批評家は今作をこう評しています。

“離婚をテーマにしたこのドラマはとても痛烈で、この国で起きている議論の矢面に立っている。遠く離れた場所で観たとしても、それでも恐ろしい。”
引用:whatculture.com

8.2015年に生まれた傑作音楽ドキュメンタリー!?『エイミー(原題)』

アシフ・カパディア監督『エイミー(原題)』

Rotten Tomatoes 96%(レビュー数165)

2011年、27歳の若さでこの世を去ったイギリスのジャズシンガー、エイミー・ワインハウスのドキュメンタリー映画。『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』『シーモア:アン・イントロダクション(原題)』と並び、『エイミー(原題)』は2015年音楽ドキュメンタリーの傑作の1本です。

単に、エイミーを賛美したり、若くして生涯を終えたことを嘆いた映画ではありません。今作はエイミーの死を名声やプレッシャーに押しつぶされて起きた悲劇として描き、その責任の一端をあなたは感じることになるかもしれません。今作の鑑賞中に本物の涙を流すことになるでしょう。

ある批評家は今作をこう評しています。

“生々しく、しばらく頭から離れないドキュメンタリー。胸に突き刺さり、自由な精神への賛辞だ。”
引用:whatculture.com

9.現在世界で起きている悲惨な現状をまざまざと見せつけられる作品!?『ティンブクトゥ(原題)』

アブデラマン・シサコ監督『ティンブクトゥ(原題)』

Rotten Tomatoes 99%(レビュー数94)

マリを舞台に、幸せに暮らしていた音楽好きの親子がイスラム過激派の弾圧を受け、過酷な運命に巻き込まれていきます。

『ティンブクトゥ(原題)』はこの瞬間に世界で起きていることと、まさにリンクした作品です。

今作のヴィランは、グロテスクなアニメキャラタクターではなく、生身の人間たちです。殺人、レイプ、略奪など、イスラム過激派が行う数々の悪行を目撃することになります。

彼らには欠点があり、時におそろしいほど平凡です。しかし、彼らの行動は底知れないほど卑劣で、人間の所業とは思えない程恐ろしいものです。

イスラム過激派の犠牲者はメディアが報道するよりもはるかに多いことを改めて思い知らされる作品です。

10.『トワイライト』シリーズが苦手でも楽しめるヴァンパイアコメディ!?

taichimachima ニュージーランドの首都ウェリントンで一緒に暮らすヴァンパイアの共同生活を描いたモキュメンタリー映画です。他にも書いてらっしゃる方いますが、邦題が若干いただけません。てっきり人間とヴァンパイアのおかしな共同生活的なものかと思ってましたが、あくまでヴァンパイア達の共同生活なんですね。 ただ内容はとってもよかったです!ヴァンパイアに関する色んな小ネタが混じっててところどころでクスッとさせられます。若干のグロはありますが、そんなの気にならないぐらいくだらなくて愛おしく思える映画です。

ジェマイン・クレメント監督『シェア・ハウス・ウィズ・ヴァンパイア』

Rotten Tomatoes 97%(レビュー数143)

『シェア・ハウス・ウィズ・ヴァンパイア』は、モキュメンタリースタイルのヴァンパイアコメディ。その情報だけ聞くと、今作の期待値は高くはないでしょう。

しかし、今作はモダニズムを説教じみない方法で非難するなど、さりげなくメッセージを入れ込み、しっかり笑えるヴァンパイアコメディに仕上げています。

ある批評家は今作をこう評しています。

“もしも『トワイライト』が気に入らず『ダーク・シャドウ』を見逃したのなら、この完璧なジャンルムービーをオススメする。”
引用:whatculture.com

11.”ルーム”とは母親の愛情いっぱいの創造!?『ルーム(原題)』

レニー・アブラハムソン『ルーム(原題)』

Rotten Tomatoes 97%(レビュー数144)

映画が始まってからしばらく経つと、恐ろしい事実が明らかになります。そして体にゆっくりと毒が回るような感覚を味わうことになるでしょう。

また、主要キャラクターふたりにとっての牢獄、無謀な希望の対象、などタイトルの“ルーム”には様々な意味が込められています。

2015年の作品の中で、今作程、衝撃的展開を迎える映画は少ないはずです。しかし、今作は他の大手映画スタジオが作るようなタイトなウェルメイド作品ではありません。独特の世界観で切迫感を生み出している素晴らしい作品です。

ある批評家は今作をこう評しています。

“この映画はセンセーショナルでも甘ったるいものでもない。力強く、やさしい母親の愛情が源の創造を賛美している。”
引用:whatculture.com

12.今必要なメッセージが込められた大人も子供も楽しめる良作!?『パディントン』

yuki12241 遥か昔あった人間とクマ達の1度の交流が、長い時間を経て彼らを人間の世界に導くことになる。ハチミツならぬマーマレードが好物な主人公のクマ・パディントンの家探しをテーマとし、ある家族との出会いから互いに成長していくハートフル・ストーリー。彼がかぶっている赤い帽子は、人間とクマとの友情の証!また、コメディ要素もかなり多く、パディントンの生きて来た世界と文明のミスマッチから生まれる笑いが面白いし、人間の少し奇妙な部分をクマの視点から観れるというのも面白いです。人間社会に降り立った動物とそれを邪魔する悪の存在という構成は、『ひつじのショーン』にそっくり。

絵本的な表現による人物紹介や少しファンタジックな近未来的世界観が垣間見える図書館。ピタゴラスイッチのような演出も見られ、映像としてお洒落なのでそれだけで楽しめます。シリアスな映画では決してなく、使い古されたテーマではあるので、新しさを感じる事はあまり有りませんでしたが、『くまのパディントン』がそれなりのクオリティで実写映像化されたというだけで、素晴らしい意味を持つ映画だと思いました。日本でクマ映画と言えば下品な方が定着しつつありますが、さて、イギリスから来た上品な方のクマは日本で流行るかな…?

ポール・キング監督『パディントン』

Rotten Tomatoes 98%(レビュー数130)

イギリスの児童文学『パディントン』を基に制作された映画。

ごくたまにハリウッドは小さな子供に愛されているキャラクターを使い、素晴らしい傑作を生み出すことがあります。『パディントン』はまさしくその1本です。

魔法のようがかかったようなこの映画はニコール・キットマンなど素晴らしいキャストに支えられています。ストーリーは子供向きになり過ぎていない絶妙なバランスに。感動的で面白く、時に悲しい今作は何度も楽しめる良作です。

ある批評家は今作をこう評しています。

“忍耐、許容など、今世界に必要なメッセージが込められたチャーミングな作品。”
引用:whatculture.com