吉田大八監督が映す「心の闇」とは。『紙の月』感想・評価まとめ

2017年7月6日更新
『八日目の蝉』の原作者、角田光代の同名小説を映画化した『紙の月』が11月15日より全国公開されます。監督は、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八、年下の恋人と不倫し、落ちていくヒロインを宮沢りえが演じます。宮沢りえは、この作品で、第27回東京国際映画祭で最優秀女優賞を受賞しています。話題の本作を鑑賞した人の感想、レビュー、クチコミをまとめました。

男に溺れ、金に狂う、欲望の最後にあるものは・・・

バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、顧客の預金を使い始めてしまい……。

宮沢りえの演技に絶賛の声多数!

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『紙の月』この映画は原作とは全くの別物。正直、原作がかなりのインパクトで映画ではその人物像にやや違和感感じる部分があったのは事実だけど、この映画はひとつの世界観を出している。何よりリカ演じるりえ氏の表情が最高
引用:twitter.com
一足お先に東京国際映画祭で鑑賞。 原作と異なるシーン&キャストが良い味出してる。小林聡美ははまり役。 しかし、何と言っても主演の宮沢りえが素晴らしい!! 堕ちてゆく平凡な主婦を大スター宮沢りえが見事に演じてる。 次第に自信に満ち溢れ、薄ら笑み浮かべる梨花…恐ろしい。でも美しい。 予想外のラストシーン…ビックリした。でも、もの凄く爽快だ。圧巻です。 逃げて逃げて逃げまくれ!

平凡な日常が、些細なきっかけで狂い始める。犯罪というのは、いつも小さなズレから始まり、気づいたときには、取り返しのつかないところまでいってしまうのかもしれません。銀行員という立場を利用した横領事件は決して許されるものではありませんが、宮沢りえ演じる主人公に気持ちを寄せる感想が多く聞かれます。まさに、彼女の表情、演技の圧巻と言えるでしょう。

物足りないとの声も?

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引用:twitter.com
ありがち。確かに演技は体当たりだしメッセージは分かるが、テーマやキャストなどが想像の範囲を超えない。主演が壊れるための圧力が高まりきったようにどうしても見えない。あれだけ評判のいい作品だけに拍子抜け感がどうしても避けられない。
引用:filmarks.com
あれ。東京国際映画祭コンペだったり観客賞受賞と話題の割には、すごく普通…!確かに落ちゆく宮沢りえは達者、クズ役池松くんは物にしてる、大島優子も違和感なし。だけど作品として普通だったなあ…特別面白いわけでも面白くないわけでもなく、普通(笑) まあでも映画祭作品としては一番一般のお客さん受け作品なのかな、と思います。
引用:filmarks.com

役者それぞれの演技に定評はあるものの、作品全体としてインパクトに欠けるという内容の感想も聞かれます。観客によって、期待をもっていたところによっては、想像していたものと異なるのかもしれません。

吉田大八監督の演出の妙

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彼女がとてつもないことをしたにもかかわらず、 世間体を守るために、いつしか何もなかったかのようにふるまう人々、組織。 世間は必ずしも、正義の味方を求めている訳ではない… 吉田監督の世間や社会を見つめる眼が光る演出でした。 (口コミより抜粋)
映画「紙の月」の試写、素晴らしかったで!新作でそこまでの映画って、年に一本出会えるかどうか。泣かせるタイプのものじゃないのに、「映画」ってものにただただ圧倒されて涙がこぼれる体験…気持ちよかった…。吉田大八監督一生付いていきます!
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本作で監督をつとめた吉田大八は、『桐島、部活やめるってよ』や『腑抜けども悲しみの愛を見せろ』など、登場人物が、予期しない言動、ある意味、人の気持ちを「踏みにじる」ような、裏切りを見せる演出が印象的な監督。本作では、心の闇を映し出す演出に高評価の声が多く聞かれました。