2017年7月6日更新

松田美由紀、松田優作の妻で写真家としても活動するベテラン女優について知っておきたいこと

今や松田優作という巨大看板を背にしなくても、名実ともに人気俳優となった息子の母親・松田美由紀。自身も演技派女優として、また写真家、エッセイストとしても活動しています。今回はそんな松田美由紀の、あまり知られていない一面をご紹介したいと思います。

『金田一耕助の冒険』で映画デビュー

松田美由紀 

松田美由紀は、旧姓の熊谷美由紀として、10代の頃からモデルとして活躍し、1979年公開の映画『金田一耕助の冒険』で映画デビューを果たします。

この作品は、古谷一行主演の有名なテレビシリーズの映画版です。金田一の大ファンという設定のヒロイン、美術品専門の窃盗団ポパイの女首領マリア役を演じました。たまたま、制作の角川春樹と監督の大林宣彦が雑誌『GORO』の篠山紀信による激写シリーズで見て抜擢されることになったのだそうです。

松田優作との結婚は略奪愛だった

松田優作

伝説的な名俳優、松田優作との出会いも『金田一耕助の冒険』への出演がきっかけとなります。当時、『金田一耕助の冒険』は、地方では松田優作主演の映画『蘇える金狼』と2本立て公開されており、このキャンペーンでの出会いが最初でした。

しかし松田優作は、現在作家として活動する松田美智子と1975年に結婚、翌年には長女も誕生していました。1980年に、当時まだ18歳だった松田美由紀と事実上の不倫関係となり、その翌年に前妻との離婚が成立しています。

3人の子供も皆芸能界へ

松田龍平

出典: newsmana.com

1983年5月9日には、第一子、松田龍平が誕生します。小学生からサッカーを始め、中学生時代には横河電機ジュニアユースに所属、短期間ながらイタリア・セリエAのジュニアチームにゴールキーパーとして参加したこともありました。そうした活動を続けるなか、中学3年の時に大島渚監督の目にとまり、主役としての出演を打診されながら一旦は断るものの、1999年に映画『御法度』で堂々のスクリーンデビューを飾りました。

松田翔太

1985年9月10日生まれの二男・松田翔太もまた、2005年、スペシャルドラマ『ヤンキー母校に帰る〜旅立ちの時 不良少年の夢』で俳優デビューを果たします。同年に放映された大人気ドラマ『花より男子』に西門総二郎役で出演すると、忽ち人気を博します。翌年には、映画『陽気なギャングが地球を回す』でスクリーンデビューもしました。

Yuki(ユウキ) 松田夕姫

出典: newsmana.com

松田優作が亡くなる前年の1988年に生まれた末娘の松田夕姫は、高校時代に3年間カナダに留学し、その後アメリカで2年間、音楽やアートを学んでいたようです。2012年からは、素性を明かさないままライブハウスなどで活動を開始していました。そして2015年、Yuki(ユウキ)としてボーカルを担当する、Young Juvenile Youth(ヤング・ジュヴィナイル・ユース)というエレクトロニックユニットでCDデビューを果たすとともに、松田優作の娘であることも公表しました。

写真家としても活動

松田美由紀

演技派として知られる女優業の傍ら、2005年11月に『松田優作全集改訂版』(幻冬舎)のアートディレクションを手掛けたのを機に、2008年7月には写真家として活動を始めます。リトル・モアから『片山瞳×松田美由紀 写真集 私の好きな孤独』という写真集も出しています。

松田美由紀×片山瞳

他にも、2011年11月には、講談社から『好き好き大好き! 明日を生きる言葉』というエッセイ集も上梓しており、その多才ぶりを遺憾なく発揮しています。

写真に関ては、女優として身体を使って表現することと、写真を通しての表現に通ずるところがあるとのことで、雑誌『GENROQ』(三栄書房)などで写真家としての創作活動を精力的に続けているようです。

松田美由紀は過去にレコードも出していた

松田美由紀

その多才ぶりから、もう何の意外性もないかもしれませんが、ちょうど松田優作と出会った頃の1980年5月1日にレコードデビューもしています。作詞・作曲:山崎ハコ、編曲:後藤次利による『ダンシング・ドール』というシングル・レコードです。

しかしリリースしているのはこの一枚のみで、現在は廃盤となっているため簡単に聴くことはできないようです。しかし、その遺伝子を引き継ぐ愛娘Yuki(ユウキ)の歌声に重ね合わせて想像してみるのも一興かもしれません。

映画『ちはやふる』でかるた部顧問を演じる

映画『ちはやふる』は、2009年第2回マンガ大賞受賞、2010年「このマンガがすごい!オンナ編」第1位獲得、2011年第35回講談社漫画賞少女部門受賞、コミックス累計発行部数1600万部突破という、大人気漫画が原作となっています。

タイトルの「ちはやふる」は、百人一首の中の一句で、1200年前の歌人・在原業平が禁じられた恋の相手を想って詠んだとされる「ちはやぶる神代も聞かず竜田川 唐紅に水くくるとは」に因んでいます。ちはやふる=勢いの強いさま、という状態を示しており、神の枕詞として使用されるようです。この句に象徴される主人公・千早(ちはや)こと、綾瀬千早を演じるのは、人気・実力ともにNO.1若手女優で本作が映画初主演作品となる、広瀬すず。

2006年公開の映画『タイヨウのうた』などで知られる小泉徳宏監督の意向で、メインキャストを決定するのに800名以上の若手俳優達が参加する大規模なオーディションが敢行されたそうですが、野村周平、真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也と、次世代を担う今注目の若手俳優達が勢ぞろいした感があります。

そんななか脇を固めるベテラン俳優として、千早の百人一首の師匠・原田役に國村隼、千早が通う瑞沢高校教諭で、かるた部の顧問でもある宮内妙子役を松田美由紀が演じています。

宮内妙子は、作中「女帝」と渾名されるほど厳格で口うるさい、生徒ばかりか教員の間でも一目置かれる化学の教師。まったくの門外漢ということもあり、かるた部の顧問もはじめ乗り気ではなかったものの、千早たちの熱意に絆されて真剣に取り組みはじめます。

この厳しくも懐が深く、味方につけると頼もしい教師という役柄は、強く凛とした佇まいのなかに大らかな優しさが垣間見える、松田美由紀のイメージにピッタリではないでしょうか。