ディズニースタジオとピクサースタジオの社長から学ぶ、独創的な会社を運営する秘訣

2017年7月6日更新
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ及びピクサー・アニメーション・スタジオの現社長であるエドウィン・キャットムル氏が独創的な会社を運営し成功する秘訣を語りました。

エドウィン・キャットムル氏ってどんな人?

Catmull_-Ed_940_529_72-ppi

エドウィン・キャットムル氏はピクサー・アニメーション・スタジオの共同設立者であり長年運営をしていました。

1986年の創設時から1995年の大ヒット映画『トイ・ストーリー』までの約10年間は模索を繰り返し、現在ではウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ及びピクサー・アニメーション・スタジオの社長となりました。

彼の最新の著書である「Creativity, Inc.」では独創的な会社を運営するために必要なことが書かれてあり、今回はそんな彼が考える会社を運営する秘訣をまとめました。

情報を守りたかったら、社員を信じる

Pixar-Studios

Q:「ピクサーは1200人ほど従業員を抱えていますよね、でもピクサーの映画がネタ漏れすることはほとんどありませんね。その秘訣はなんですか?」

A:「一番最初にディズニーアニメに取り掛かった時にすごくネタ漏れしたんです。1、2人が外部に漏らしちゃったんですね。

もちろんこれはスタジオのモラルに反していたので、私はみんなの前に立って話したんです。僕たちが作品を作るときにはいろいろなプロセスがあって、話し合いを重ねたうえで方向性を明らかにします。

部署のチーフは何がボツになったとかをチームに会議の後に伝えるわけですが、当然そこには信頼が必要です。でも、外部に漏らすという行為はその信頼を裏切る行為ですよね。

そう話した時に私は社員からの拍手喝采の渦にまきこまれたんです。ネタバレをした犯人は社員たちの怒りを目の当たりにしたわけです。私からのメッセージがネタ漏れを止めたのではなく社員たちの反応がネタ漏れを止めたんです。

私が信じているのは秘密を守らせるためにはその隠したい情報をちゃんと社内で共有することです。もし自分が社員たちのことを信じず、情報を隠すようなことをすれば社員たちは部外者のような気分になり秘密を流しやすくなります。

社員を信じ、情報を共有することで連帯感をつくりあげる。それが情報を守り通す秘訣だとおもいますね。」

それぞれのスタジオの個性を生かす

無題

Q:「あなたとジョン・アラン・ラセター氏(ディズニースタジオ、ピクサースタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサー)の成功がロバート アイガー氏(ディズニー最高責任者)の自信につながり、コミックキャラクターを多数抱えるマーベル、スターウォーズのルーカスフィルムなどの買収に影響したと思いますか?」

A:「8年前、ディズニーアニメーションは機能し切れてなかったけど、僕たちはそれを乗り切りました。"アナと雪の女王"がリリースされるまでに世界規模でマーケティングを広げることができたし、アナ雪はアニメーション映画としての興行収入は全世界歴代1位になりました。

だからもちろんボブ(ロバート アイガー氏の愛称)は喜んでいましたね。ただ、協調したいのは2つのスタジオは統合してないってこと。僕たちが徹底していることは絶対にスタジオは独立して作品を作ること。

僕が考えるにそれぞれの内部の連帯感はとても大事だと思うんです。それを大事にすることでそれぞれのスタジオの個性を守り、面白い作品を作れる。

これはボブもマーベルを運営するうえで大切にしてます。マーベルはピクサーやディズニーとは大きな違いがあるんです。もちろん技術的な面での助けは必要になるかもしれないけど、内部の雰囲気は絶対に変えちゃいけない。」

完璧なプロセスなんて存在しない

cp_FWB_Pixar_20120926

Q:「ピクサーが2014年に公開予定としていた"ザ・グッド・ダイナソー"(原題)が2015年公開に延期という悲しいニュースがありましたね。ピクサーが年内に一本も映画を公開しないのは2005年から初めてのことになりますが、その決断を下すのはさぞかし大変だったでしょうね。」

A:「問題や失敗はどんな映画にもつきものなんです。初めからすべてやり直しとかもあります。たとえば、"トイストーリー2"、"レミーのおいしいレストラン"、そして今回の"ザ・グッド・ダイナソー"も一からやり直し。

昔は僕たちの会社は小さかったから誰も気に留めませんでした。今となっては有名になったからみんな心配したりするけど、その問題とかは常に起こってたことなんです。

僕は完璧なプロセスなんて存在しないと思ってます。僕たちの目標は完璧なプロセスをたどることじゃない、良い映画を作ることなんです。」

参考:hbr.org