2015年見逃した今年こそおさえておきたいミニシアター映画8選

2017年7月6日更新

2015年に見逃してしまった映画はありませんか?巨匠の遺作や音楽に人生を翻弄された人々、異色の視点で描かれた話題作など。2016年のうちにぜひおさえておきたい、8本の名作をご紹介します。

1:1990年代パリで人気DJに上り詰めた、一人の青年の栄光と挫折

YU66 クラブミュージック、ドラッグ大好きさんにはたまらないフランス映画。 あの頃のパーティーピープルをしっかり楽しめます!

主人公の栄光と挫折を描いた青春映画ですが、チラホラ登場するダフトパンクの若かりし姿(想像上)も見られてさらに面白い。 全編気持ち良い楽曲でしっかりプチトリップ出来ます。スタイルカウンシルやジプシーウーマンの使い方も渋い。 ガラージからエレクトロへ、時代は変わるしまた流行は巡る。好きを貫くのか流れに乗るのか?

____RiN____ ベストオブクラブ行った気になる映画!フレンチ・ガラージを中心にした音楽が良すぎて、勿論ダフトパンクまみれで、お酒飲んで踊って煙草吸いたくなる映画でした。 クラブシーンが映像として登場する映画は珍しくないんですが、この映画の素晴らしいところは、俳優の映りを一切鑑みずにクラブそのままの照明を映していること。紫煙香りそうなくらいの煙たさも、あの皮膚感覚を思い出します。 ストーリーは、ご想像の通りのとあるDJの栄光と挫折、麻薬中毒なわけですが、ミア監督独特のキャラクターと距離のある撮影技法からか、そこまでの悲壮感は滲みません。 ひたっすらおしゃれなのもいい、おしゃれぶろう。

新鋭女性監督ミア・ハンセン=ラヴが、自身の兄の体験を基に制作した作品。音楽レーベルも設立している俳優フェリックス・ド・ジブリが主演を務め、『愛について、ある土曜日の面会室』のポーリン・エリエンヌらが共演しました。

1990年代のパリでは、エレクトロ・ミュージックが音楽シーンを席巻。大学生のポールは、親友とDJユニット「Cheers」を結成し瞬く間に支持を広げていきました。輝かしい成功の裏でポールの私生活が荒れ始め、音楽の方向性も見失い、仕事でも行き詰るようになっていきます。

次々と映し出される、時代ごとの有名クラブの数々は必見!どのシーンも、思わず踊りたくなるような楽曲で溢れています。主役を務めたフェリックスは、夢をどこまで維持し成功できるか。目的に対して、どこまで突き詰められるかという作品だと語りました。

2:15年の歳月をかけて制作された、アレクセイ・ゲルマン監督の遺作

Yusuke_Yamamoto 凄いもんみた

2015/03/21 ユーロスペース

nagahima5050 2015.4.1.ユーロスペース モノクロの映像なのに3Dどころではなく、混沌と喧騒の世界が高発酵した臭いさえ伴って襲ってくるような淒い体験だった

体験として生涯忘れる事ができない作品

13年の年月を注ぎこの作品を残してくれた天才監督に合掌

ロシアの巨匠アレクセイ・ゲルマン監督が、ストルガツキー兄弟のSF小説『神様はつらい』を映画化。完成目前で逝去した父の遺志を継ぎ、映画監督の息子が共同脚本を務めた母と共に完成させました。

舞台は、とある惑星の都市アルカナル。文明が地球から800年ほど遅れた土地を調査するため、科学者・歴史家など30人の学者が派遣されました。しかしそこでは、権力者による圧制・殺戮・知識人の粛清が行われていたのです。惑星の人々から神のように崇められた地球人の一人、ドン・ルマータは、繰り広げられる蛮行をただ傍観するしかなかったのですが……。

画面に広がるのは、泥や糞尿などにまみれた不衛生な世界。中世ルネサンス期を思わせる日常は、私たちの日常からかけ離れた別世界のように感じます。そんな中、どうにもならず行き詰る主人公の姿に、自分と重ねてしまう瞬間があることでしょう。

3:ナチスの強制収容所から生還した妻と、変貌した妻に気付かない夫の愛の行方

Satoko_Suzuki 2015/12/25 冒頭から、体液の滲み出た包帯を、頭部(顔)にグルグル巻きにした女性が登場。なにやらサスペンスな予感、、。 ユダヤ人収容所から生還した女性が、重症の顔を形成手術した後に、最愛の夫に会いに行ってみたら、男は妻だと気付かずに、その女性にある提案を持ちかけるのだが、、、と、いうお話です。

状況説明のテロップやナレーションが一切無く、非常にヨーロッパ的な、想像をさせるような映画でした。最大の焦点は、男は本当は妻を愛していたのか?、という事。 「え?なんで?」って所もありましたが、色々想像が膨らみました。 ラストのカットも、効果的な音楽と共に、非常に好きな感じ。面白かったです。

ただ、この邦題、いまいちな気が、、。安っぽいメロドラマみたい。

s_p_n_minaco いま最もハードボイルドが似合う女優、ニーナ・ホス。『東ベルリンから来た女』のクリスティアン・ペッツォルト監督で、相手役も同じくロナルト・ツェアフェルト(丸っこい風貌がニーナと好対照)。そしてこれもまたラストシーンから逆算して作られたかのようだった。収容所から生還したネリーの包帯にくるまれた顔、ベール、以前の姿がおぼろげに写る写真、がれきと化した結婚生活、暗闇のシルエット。見せない、語らないことでサスペンスとミステリーと情感の雄弁な余白が深まる。そしてか細い身体にドラマティックな眼差しで、女スパイの如く何人ものネリーの顔に移り変わるニーナ・ホス。そこまでして夫は気付かないのか、本心はどこにあるのか。このラストの鋭い切れ味たるや。Speak Lowがしばらく耳を離れないはず。

1945年6月、ベルリン。ナチスの強制収容所から奇跡的な生還を果たしたネリーは、顔に大怪我を負ったため再建手術を受けます。愛する夫・ジョニーとの幸せな生活を取り戻そうとしますが、ジョニーは妻だと気付かないばかりか、妻になりすまして遺産を山分けしようと持ちかけてきて……。

夫は本当に愛してくれていたのか、それとも自分を裏切ったのか。ネリーはその真意を確かめるため、ジョニーの提案を受け入れ自分の偽物として生活し始めます。

ネリーがジョニーのピアノ伴奏で歌いあげる、ラストシーンの「スピーク・ロウ」。ジョニーは本当にネリーを愛していたのか。という問いの答えは曖昧のまま、二人のその後はこの曲によって観客に委ねられます。あなたは、二人の愛の行方をどのように想像しますか?

4:字幕も吹き替えも存在しない無音の世界、手話のみで語られる少年少女の青春

YU66 全編セリフはないけれど、衝撃だけがある。眠くなるとか意味がわからないとかが一切ない132分です。 言葉がないのに、手話がわからないのに痛い程伝わります。

聾唖寄宿学校には不自由とか光や正義はなく、悪の巣窟で悪に生きる若者たち。 ショッキングな描写が辛い方には観れない場面があります。 数年前に観たルーマニア映画“4ヶ月、3週と2日”で免疫がなかったら確実に目を伏せていました。

rujjero 今まで観てきた映画とはあまりにも異質に感じた。衝撃的。

この映画を観るまで、ただ聾者は生活に支障をきたして可哀想だとのみ考えていた。あまりに浅はかな考えだった。スクール映画も成り立てば不良少年少女も成り立つ。ただ音が無いだけ。まるで別の文明、神が作った別のアダムとイブであるかのように成り立っていた。 自分が一生入り込めないような別の世界を映像で体験できるとともに、目をそらさず一部始終を目撃しなければならないような撮り方がめちゃくちゃに残酷でもあった。字幕も吹き替えも一切無いので聾者に対してめちゃくちゃ疎外感を感じるが、手話を覚えようとしない聴者からしたらお互い様だよね。

個人的にこの映画はあらすじ読んでから観た方がいいと思います。正直ストーリーうんぬんより普通のストーリーが聾者のみで成り立っていること自体が、差別意識を少なからず持っていた僕が抱く衝撃的な印象の全てだったから。

2014年、第67回カンヌ国際映画祭の批評家週間で3冠を受賞した作品です。長編初監督となるウクライナの新鋭、ミロスラブ・スラボッシュピツキーがメガホンを取りました。

耳が不自由な青年・セルゲイは、一見すると普通に見える寄宿舎に入学します。しかしその裏で幅を利かせていたのは、麻薬・売春を生業にする暴力組織「トライブ(族)」でした。犯罪に手を貸し、組織での地位を確立していくセルゲイ。しかし、リーダーの愛人・アナに恋をしたことで、ある決意をすることになります。

出演しているのはプロの俳優ではなく、実際のろうあ者たち。性的な描写や激しい暴力シーンも含まれる中、手話とボディランゲージを用いた体当りの演技を披露しました。監督は、ろうあ者のコミュニケーションや喧嘩の仕方などに惹かれたことが、映画製作のきっかけだと語っています。

5:現代社会で共同生活を送る4人のヴァンパイアの面白すぎる日常

B50371952 現代に暮らすヴァンパイアのシェアハウスにドキュメンタリーのカメラが潜入という、いわゆるモキュメンタリーテイストの1本。ヴラドがいたり、ナチス製のヴァンパイアがいたり一人ひとりキャラがたってる。人間よりも人間臭いのに、ヴァンパイアであるがゆえの悩みも抱える彼らはとっても愛おしい。 狼男やゾンビも出てくるのにモキュメンタリーだから、現実と地続き感が気に入りました。他にもモキュメンタリー見てみようと思います。あと『オンリーラバーズレフトアライブ』も見たくなりましたね。
utakatafish えーーーー、なにこれ可愛い…… たまたまDVD借りたら完全に当たりだった

ヴァンパイアの日常をドキュメンタリー風に撮った映画 人間のカメラマンをフツーに受け入れ、フツーにカッコつけて自分たちの生活を紹介してるヴァンパイアたちの可愛いことよ!

いろんな時代のヴァンパイアが同居してて笑える、かつての召使いとスカイプで話すシーン超笑えた

それにしてもスチューはみんなに愛されすぎだろ!こういう感じの面白さ大好き!

年齢も時代もバラバラなヴァンパイア、ヴィアゴ・ディーコン・ヴラド・ピーター。ニュージーランドの首都ウェットリンで共同生活を送り、毎晩のように歌って踊る陽気な日々を過ごしていました。ある日、人間をうっかりヴァンパイアに変えてしまい、その親友のスチューをシェアハウスに招いたことで大騒動になって……。

ホラー要素はほぼなく、終始コメディタッチで描かれるモニュメンタリー形式の作品。”ヴァンパイアならでは”が満載で、美女の首筋に噛みついたら血が噴き出したり、狼男とのトラブルなどハプニングが絶えません。

面白おかし過ぎる斬新な設定が話題になり、トロント国際映画祭などで観客賞を受賞。最も驚くべき点は、大筋の脚本はあったものの全て俳優たちの即興演技ということ!個性的なヴァンパイアたちは、演じた俳優の面白さが反映されているということなのでしょう。

6:悪法によって保護施設に入れられた犬たちの反乱を描くサスペンスドラマ

chloe_033 アキバシアターにて。 国が雑種に税金をかけるという、本作と同じような法案が実際に通されそうになったことがあるそうで、ゾッとしたし、虐げられる犬の姿に心が痛みました。犬たちの演技が超リアル! リリの奏でる音楽の力で犬たちの心が静まって、とにかく安堵しました。 リリは成長が楽しみな美少女ですね☆
whentheycry 離れ離れになった少女と犬がそれぞれお互いを失いながらも経験し成長し、2人が再会する。

犬版『猿の惑星』というのも納得。『鳥』のようなパニック映画でした。が、捨てられた犬達の過酷な現実のストーリーラインは辛くて見てられません。 そこに飼い主の少女の大人になっていくストーリーも同時に進んで行くのですが、かの2つを1本の映画で同時に描く理由が最後まで見てもピンと来ませんでした。

犬側の過酷なストーリーとは裏腹に少女の成長物語の描かれ方は素敵で今度はこっち一本で撮ってほしいなと思いました。

舞台は、雑種犬に重税を課す悪法が施行されたハンガリーの首都・ブタペスト。13歳の少女・リリに飼われていたハーゲンは、父親によって捨てられ街を彷徨うことに。やがて野生に目覚めたハーゲンは、人間に裏切られ保護施設に送られた仲間を従えて反乱を起こしていきます。

第67回カンヌ国際映画祭では、「ある視点」部門のグランプリとパルムドッグ賞をW受賞しました。ハーゲン役のほか、出演した250匹は全て保護施設の犬だそう。撮影中は役名で呼ばれており、終了後は全ての犬に飼い主が見つかったという逸話があります。

犬たちの過酷な現実や悲惨さ、少女と父親の確執など。二つの視点から丁寧に描き、少女と犬の感動物語で終わらない社会派作品になっています。

7:一人の天才の苦悩の人生、大人気ロックバンドの名曲誕生に迫るヒューマンドラマ

s_p_n_minaco 真冬にエンドレス・サマー。どんな始まり方をするんだろうって考えてたら、そうきたかのオープニング。暗闇に鳴る音にグッと掴まれた。ポール・ダノすごい。肉付きも、歌声までもそっくりじゃないか。考えたら長きに渡る辛い被虐経験談だけども、音楽は宝石のようにキラキラしてる。何しろぜんぶ愛聴曲だし、ペットサウンズのレコーディング風景がたまらん。ガガガガッってあの音いいよねー。今はどんな音でも作れそうだけど、アナログ時代の創意工夫って面白いよねー。そんな豊かな音と創作の魅力が、キツい修羅場をロマンティックに彩る。イマジネーションの力を称えるかのようで、幸福な余韻が残る映画だった。 60年代と80年代の再現描写もすごく良い対比で、特にエリザベス・バンクスの髪型と化粧と装飾品がリアルったら。実際に当時の口紅とか使ってたのでは。ブライアン以外メンバーもよく特徴抑えてて嬉しいし、似てないはずのジョンQはダノと仕草や表情がピタリ重なる。どうでもいいけど、ジョンQの腕毛と下睫毛と生え際にやたら目がいってしまった。
mataro_mince 夏の海と車と女のコ。浜辺の悪童TheBeachBoys。アメリカンポップスの成功の影が虚構で固めた詞やメロディとしてライターであるブライアンを苦しめる「ラブ&マーシー終わらないメロディー」塚口3。金が欲しけりゃ俺のケツに並べ!喜々として作ったであろう愛の冊子が素敵じゃないか。2015年9月30日 悪役の精神科医のユージンがムカつく。斧で殴り殺したいぐらいだ。レコーディングのシーンは何度も鳥肌が立つ。ハッピーエンドのラブストーリーとしても素晴らしい作品だ。だって実話だから。CarolKayeが見た目もそっくりでカッコいい!

1960年代、人気の頂点を極めていたカリフォルニアのロックバンド「ザ・ビーチ・ボーイズ」。その中心的存在であるブライアン・ウィルソンは、メンバーとの食い違いや父親との確執、新作へのプレッシャーからドラッグに溺れていきます。メリンダと言う女性との出会いで、ブライアンは再び希望を取り戻すのですが……。

長きに渡る苦悩の日々を、主演を務めたポール・ダノとジョン・キューザックが見事に体現。60年代と80年代、2つの時代を行き来しながら描かれる伝記的映画に仕上がっています。

映画タイトルにもなった『Love And Mercy』を始め、シングルチャートで英2位を記録した『God Only Knows』。サーフィン・サウンド時代の代表曲『I Get Around』などの名曲たちが、ブライアンの人生と共に流れていきます。

8:一男二女が奏でる、ひと夏のビター&スイートな青春物語

YU66 こんなに可愛いミュージカルは初めて! ロックやファッションを愛する人には間違いなくドンピシャな映画である事は間違いなし。 パステルズやザ スミスを青春時代に聴いてきた人には、なおたまらない要素がたっぷり。

そしてこの映画をきっかけに知りましたが、初監督のベル&セバスチャンのフロントマンであるスチュアートマードックは過去“ハイフィディリティ”や“(500)日のサマー”のサントラも手がけてきたそうで、 それではわたしがこの映画にハマらない理由がありません。

主人公イヴの可愛さはスペシャル系、歌も最高に良かったです!

Ayano_Jinnouchi 入院中の病院を抜け出した少女がライブハウスで出会ったギター少年を翻弄する青春映画。個人的に(500)日のサマーのミュージカル版みたいだなと思いました。

おしゃれな雰囲気映画好きにおすすめしたい一押しミニシアターです。街並み、歌、ファッションすべてが可愛いくて、BGM代わりに部屋でずっと流していたい。

主人公の女の子イヴが好きになれるかどうかで好みが分かれるんだろうなあ。

スコットランドの人気バンド「ベル&セバスチャン」が、2009年にリリースした同名のソロアルバムをミュージカル映画化。バンドのフロントマン、スチューアート・マードックが脚本と監督を担当しました。

舞台は、スコットランドのグラスゴー。拒食症で入院しながらミュージシャンを夢見る少女・イブは、病院を抜け出してクラブハウスを訪れました。そこで、青年・ジェームズと音楽仲間のキャシーと知り合い、友情と恋愛に揺らぎながら音楽活動を始めていくことになります。

ミュージカル映画の名に相応しく、劇中にはポップなミュージカルシーンがたくさん詰まっています。スチュアート監督が拘ったという、50年代~70年代の古着ミックスなスタイリングにもぜひ注目してみてください。