ドラマ『ディアス・ポリス』出演、康芳夫の経歴がヤバすぎる!!【暗黒プロデューサー】

2017年7月6日更新

“暗黒プロデューサー”の異名を取り、「オリバー君招聘」や「猪木対モハメド・アリ戦」など、数々の奇抜な企画を立ち上げ一大センセーションを巻き起こした康芳夫。昭和の裏面史を知りつくした康のヤバすぎる経歴をご紹介します。

自称「虚業家」昭和最深のプロデューサー、康芳夫

康芳夫

出典: gunosy.com

康芳夫(こう・よしお)をご存じでしょうか。東京都出身、1937年5月15日生まれのプロデューサーですが、自ら「虚業家」を名乗り、「伝説の暗黒プロデューサー」という異名でも知られています。

その活躍は、1960年代から1970年代にかけて特に顕著で、テレビ局とタイアップした珍妙な企画は当時大きな話題を呼びました。

昭和の時代を手玉に取り、平成の世で再びブレイクし異彩を放つ康芳夫。その前代未聞で型破りな経歴をふりかえってみたいと思います。

原点は大物ジャズミュージシャンの呼び屋

康芳夫 画像

康のプロデューサー活動の原点は、1961年まで遡ります。東京大学在学中に学園祭の企画委員長を務め、ジャズフェスティバルや文化人による学内討論集会を開催。この時、石原慎太郎と懇意になりました。

そして1962年、石原の紹介で神彰(じん・あきら)が主宰するアート・フレンド・アソシエーションに就職し、本格的に興行師としての活動を開始。

「赤い呼び屋」と呼ばれた神彰率いるアート・フレンドでは、ジャズ・サックス奏者のソニー・ロリンズ日本招聘、富士スピードウェイでの日本インディレース開催、「アラビア大魔法団」の公演などを手掛けました。

ちなみに、「アラビア大魔法団」は全くのインチキで、集めたドイツ人の顔を黒く塗って演技させたのだとか。

アリ・猪木戦

康芳夫とモハメド・アリ

康芳夫とモハメド・アリ

ジャズトランペット奏者のマイルス・デイヴィス日本招聘に失敗した康芳夫は多額の負債を抱え、やがて長年のパートナー・神彰とも別れて単独で興行を企画します。

1976年には、アントニオ猪木対モハメド・アリ戦をコーディネイトしました。当時の日本プロレス界のエース・アントニオ猪木と、ボクシング世界ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリによる異種格闘技戦です。

この世紀の一戦を実現させるために、アリも教徒であった「ブラック・ムスリム」にわざわざ入信し、マネージャーに接近し話をまとめたそうです。また、この時の興行権をめぐるアンダーマネー支払いトラブルで、マフィアに命を狙われたという話もあります。

家畜人ヤプー

『家畜人ヤプー』

『家畜人ヤプー』は、沼正三による長編SF小説です。グロテスクな性描写を含み、1956年からSM系雑誌『奇譚クラブ』に連載。三島由紀夫がこの作品に興味を持ち知人に広め、多くの著名人から支持を得たといいます。石ノ森章太郎や江川達也により漫画化もされました。

奇抜な世界観で話題をさらったこの作品は、『奇譚クラブ』での連載終了後も康が発行人として関わった『血と薔薇』に掲載。そして、多くの出版社から加筆がなされ単行本が出ており、『家畜人ヤプー』の全権代理人を務めているのが康芳夫です。

近年では映画化の話も持ち上がりましたが、予算の面で折り合いがつかず頓挫しました。

ネッシー捕獲探検隊

画像 康芳夫

出典: realsound.jp

正統派プロデュースから外れ、“キワモノ”の色が濃くなる康芳夫の企画。1973年、石原慎太郎を隊長とする「国際ネッシー探検隊」もまさにそうしたプロデュースのひとつでした。

スコットランドのネス湖に居るとされる未確認動物・ネッシー。作家や政治家としても名高い石原慎太郎はネッシーの存在を信じているそうで、当時総勢11人で2ヶ月間ネス湖調査を行ったのだとか。総費用約2億円を投じましたが、ネッシーは見つかりませんでした。

オリバー君招聘

オリバー君

1976年のオリバー君招聘もまた、奇抜で怪しい企画でした。オリバーは、常に直立二足歩行をすること、頭髪が薄いこと、ビールを飲み煙草を吸うこと、染色体の数などから、「チンパンジーと人間の中間生物」と言われた珍しい類人猿です。

康芳夫は、アメリカで話題になっていたオリバーに注目し、所有者に交渉して日本での興行権を得ます。特別チャーター機で来日させ、タキシードを着せ、宿泊は高級ホテルのスイートルーム。その巧妙な演出によりオリバー旋風が巻き起こり、全国での興行は大盛況だったそうです。

当時ホテルでオリバーの世話をしていたのが、IVSテレビ・アシスタントディレクター時代のテリー伊藤。また、日本テレビの特別番組に出演した際の担当者は、日本テレビ社員でディレクターを務めていた矢追純一でした。

結局のところ、オリバーの染色体は48本で普通のチンパンジーと同じであり、その他の検査でも変わった点は認められないという調査結果が後日出ています。

『20世紀少年』の万丈目胤舟は康芳夫がモデル

石橋蓮司/万丈目胤舟

石橋蓮司・万丈目胤舟

浦沢直樹による漫画『20世紀少年』は、主人公が子どもの頃遊びで書いた「よげんのしょ」の内容をめぐる物語で、作者の自伝的要素が含まれていると言われています。

作品に登場する万丈目胤舟は、露天の物売りやプロダクション経営の過去があり、世界滅亡を企てる「ともだち」の組織の幹部です。康芳夫がモデルとなっているそうで、映画版では石橋蓮司が演じました。

映画『渇き。』にて俳優デビュー

そんな稀代の異色プロデューサー・康芳夫が、77歳にして俳優デビューしました。

出演した作品は、2014年公開の映画『渇き。』。「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の小説『果てしなき渇き』の映画化で、元刑事の父親が謎の失踪を遂げた娘を追ううちに衝撃の事実が明らかになっていく……というストーリーです。

父親の藤島昭和に役所広司、娘の加奈子には小松菜奈。康芳夫は、加奈子と繋がりのある外国人実業家・チョウを務めました。クセの強い役柄が康にぴったりです。

ドラマ『ディアス・ポリス』で裏都知事を熱演

康芳夫・ディアスポリス

銀幕デビューを果たした康芳夫は、ドラマにも進出しました。

2016年4月から放送のドラマ『ディアス・ポリス』。作画・すぎむらしんいち、脚本・リチャード・ウーによる漫画を原作とし、密入国外国人により作られた秘密組織「裏都庁」を舞台に、異邦警察官・久保塚早紀の活躍を描いた作品です。

主人公の久保塚早紀を原作のファンだという松田翔太が務め、康は金と女が大好物な「裏都庁」の2代目知事・コテツ役。ドラマ初出演にあたり、以下のような意欲的なコメントを述べ、一風変わった役柄を熱演しています。

各監督指揮のもと松田翔太さんをはじめとする俳優陣の皆様に色々と教えを乞い79才の未熟者ながら怪優・迷優としてデビューさせていただき皆様に大変感謝します。俳優人生に余生を賭けるつもりなのでよろしくお願いします。
引用:realsound.jp

また、俳優挑戦だけでなく、メールマガジン発行や公式ツイッターなども始め精力的に活動する康。ネットも駆使し過激な発信をし続ける“稀代の暗黒プロデューサー”からますます目が離せません。