2018年1月22日更新

ロマン・ポランスキー監督おすすめ映画16選

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ロマン・ポランスキー
©Berzane Nasser/Sipa USA/Newscom/Zeta Image

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ロマン・ポランスキー監督とは

ロマン・ポランスキー2

忌まわしい戦争体験を経て、華々しい監督デビューを飾る

1933年にパリで生まれたポランスキー監督は、第2次世界大戦を目前に、ナチスから身を隠すために両親に連れられてポーランドのゲットーへ逃げます。しかし母親をアウシュビッツ強制収容所で亡くすという悲劇に見舞われており、この時の体験が後の映画人生に深く影響しているとされています。 戦争終結後はポーランドの映画学校にて映画作りを学び、初監督した『水の中のナイフ』が、いきなりアカデミー外国語映画賞にノミネートされる快挙となりました。その後も『反撥』、『吸血鬼』などで評価を高め、アメリカ・ハリウッドに初進出した1968年の『ローズマリーの赤ちゃん』が大ヒットを記録し、名監督の仲間入りを果たします。

殺人事件で妻を失う、淫行容疑によるアメリカ脱出…いくつもの流転の道を歩むことに

ポランスキー3
出典: getnews.jp
ところが、これ以降ポランスキーの人生は波乱に満ちたものとなります。1969年、当時妊娠8カ月だった妻で女優のシャロン・テートがカルト集団「マンソン・ファミリー」に惨殺され、大スランプに陥るのです。 そうした苦難を乗り越え、74年に発表した『チャイナタウン』が高い評価を受けますが、78年、未成年の少女に性的暴行を加えたとして有罪判決が下ったため、フランスに逃亡する羽目となります。アメリカに戻ると逮捕されてしまうことから、その後はフランスを拠点に映画製作を続け、2002年の『戦場のピアニスト』でついにアカデミー監督賞を受賞します。

1,ポランスキーの長編デビュー作。たった3­人のキャストが織りなす人間模様

southpumpkin ロマン・ポランスキー監督長編デビュー作だというヌーベルバーグに片足を突っ込んだ作品。ボートの上で1組の夫婦と青年がなんやかんやある、という話。心情の機微をうまいこと映像化してある、という印象でヌーベルバーグにしてはかなり見やすいと思います。小難しいことはなにもないのでヌーベルバーグ嫌いにもおすすめできます。 BGMのジャズが先日見たイエジー・スコリモフスキ『出発』と似てるというか、同じなんじゃないかと思って調べてみたらクリシトフ・コメダという人が音楽を作曲していました。さらに脚本にはイエジー・スコリモフスキの名前もあります。この辺りの映画監督はこういった形で世界観を共有しているかのように見えて面白いです。
ポランスキー監督の長編デビュー作。キャストは3­人だけ、舞台は海上に揺れるヨットという状況下における人間関係の歪みを、見事に描いています。

2,鬼気迫るカトリーヌ・ドヌーヴの演技が必見

monoral_stereo 露骨なホラーよりよっぽど怖い。カトリーヌ・ドヌーヴの美しさが作品の恐ろしさに拍車をかけてる。
Satoko_Suzuki 全然古びてない、すごく刺激的な映画。 追い詰められて壊れゆく姿が、カッコいい映像で展開します。
自由奔放な姉の男性遍歴を聞かされてきた内気な妹が、次第に精神を病み男性恐怖症へと向かってい­く様を描いた心理サスペンス。妹役のカト­リーヌ・ドヌーヴの、妄想に取りつかれていく演技が見ものです。デヴィッド・リンチ監督の『イレイザーヘッド』など後々の作品に多大な影響を与えているといわれます。

3,古城を舞台とした4人の奇妙な人間関係

Mamiko_Suzuki ロマン・ポランスキー監督作品。 いや〜、これも衝撃的! さすがに「反撥」程、衝撃ではないんだけど、こうなんの!?的な。 精神が壊れていく話が好きなんだね〜、きっと。 強盗なんかより自分自身が怖いっつ〜、まさしくサイコスリラー!
孤島にある古城で新生活を始めた中年男性と若い妻、そして城にまぎれ込んだギャング2人組との奇妙な人間関係を、ブラックユーモアを交えて描きます。妻役のフランソワーズ・ドルレアックは『反撥』のカトリーヌ・ドヌーヴの実姉ですが、67年に交通事故で25歳の若さで夭折しています。

4,コメディに徹したバンパイヤ映画

バンパイヤ(吸血鬼)退治の旅をする教授と助手が宿泊した、怪しい雰囲気漂うトランシルバニアの宿で巻き起こる騒動をコメディタッチで描いたホラーで、ポランスキー監督自身も助手役で出演しています。ポランスキーとヒロインの宿屋の娘役のシャロン・テートはこれを機に結婚しますが、このわずか数年後に悲劇に見舞われることとなります。

5,「私が宿したのは悪魔の子!?」若妻に忍び寄る悪魔崇拝の恐怖

hitomisnotebook ポランスキーらしい映画でとても皮肉が利いていて良い映画 派手さはなく徐々に逼迫する様は逆に恐ろしく上手く作られているなと関心 この映画に纏わる逸話も恐怖をそそられる結果になっているかと思う あと音楽も素晴らしい
polo1026 ジョン・レノンが住んでいたダコタ・ハウスが舞台のサスペンス映画。ロマンポランスキー監督らしい映画。衝撃のラストだった…「ローズマリーの赤ちゃん」というタイトルに納得。
ニューヨークに越してきた若妻ローズマリーに忍び寄る悪魔崇拝の恐怖を描いたホラーで、『エクソシスト』や『オーメン』といった、1970年代を席巻したオカルト映画ブームの先陣を切った作品として知られます。作品自体は大ヒットしますが、この直後にポランスキー監督の妻のシャロンが惨殺される事件が発生したことから、「悪魔映画を撮った呪いでは?」と噂されるようになってしまいました。

6,愛妻を失ったポランスキー監督の復帰作

愛妻だったシャロンを殺されたショックから製作を一時中断するも、見事に再起したポランスキー監督の復帰作。あまりにも有名なシェイクスピアの名作を現代風に設定し、暴力描写をより際立たせる演出をしています。製作総指揮を男性雑誌「プレイボーイ」の発行人ヒュー・ヘフナーが務めたことも話題となりました。

7,チャイナタウンを舞台としたハードボイルド探偵もの

Yuka_Ono 『チャイナタウン』鑑賞。1970年代の作品。しがない探偵がある浮気調査をきっかけにビックビジネスの闇に巻き込まれる名作。笑えるシーンも所々あるけども基本的に哀愁が漂ってる。「嗅ぎ回るな」って言って鼻を切るシーンが印象的。
Hiroki_Nagasima たまらない一本。
1937年のロサンゼルス・チャイナタウンを舞台に、ある女から夫の愛人調査を依頼された私立探偵ジェイクが、次第に殺人事件に巻き込まれていくさまを、ポランスキー監督がハードボイルドタッチに仕上げています。ジェイク役のジャック・ニコルソンはこの作品に思い入れるあまり、後に自ら監督も兼任し続編『黄昏のチャイナタウン』を製作しました。

8,ナスターシャ・キンスキーの絶世の美少女ぶりが一躍話題に

s_p_n_minaco ポランスキーの文芸大作。黄昏から日没の柔らかな光や霧がかった薄闇、ドラマティックなハレーションなど贅沢なロケーション撮影が美しい。が、何たってうら若きナスターシャ・キンスキー様の可憐な美貌よ。牧師も金持ちも結婚相手もみんな下衆くて腹が立つんだが、淡々と絶望しつつも冷ややかな怨念を湛えたナスターシャ様。その虚ろなささやき声、静謐な狂気。ポランスキーは出産や死など劇的な場面をあっさりスルーして、絵画のように静的な画面を崩さない。神は無慈悲、すべてが虚しい…そんな救いのない物語がシャロン・テートに捧げられている。
19世紀末のイギリスを舞台に激動の人生を歩んだ少女、テスを描いた文芸ラブロマンス。テスを演じた撮影当時17歳のナスターシャ・キンスキーの美貌ぶりが評判を呼びました。ポランスキー監督はこの作品を亡き妻のシャロンに捧げていますが、前年に起こした未成年少女との淫行容疑に加え、『テス』撮影時にはナスターシャとも関係していたことが後々発覚し、さらなるスキャンダルに…

9,ハリソン・フォード主演の巻き込まれ型サスペンス

pixieazchan Harrison Ford主演、監督・脚本Roman Polanski-パリを舞台に失踪してしまった Dr. Richard Walker(ハリソン・フォードの妻)の行方を探すストーリー。大好きな映画の一つです☆観てない方はぜひっ!
旅行先のパリで失踪してしまった妻の行方を探すアメリカ人の夫を描いた、ヒッチコックテイストの巻き込まれ型サスペンス。慣れぬ土地で不安や孤独と闘いながら妻を探す夫役を、ハリソン・フォードがいつもの“困り顔”を活かして演じています。

10,豪華客船上で繰り広げられる夫婦2組の倒錯した官能体験

YU66 THIS IS ポランスキー!! 潔いエロティシズムと衝撃的な愛の行末は爽快です。 ヒロインのエマニュエル セリエという女優を初めて観ましたが、男の人は100%虜になる事は間違いなし。 ただどんなに燃え上がった恋も終わる事も間違いなし。
地中海を航海する豪華客船を舞台に、2組の夫婦の交流を描く官能ドラマ。ポランスキーと、同じく官能ドラマとして世界的にヒットした『愛人 ラマン』の脚本を手がけたジェラール・ブラッシュが共同で脚色し、倒錯した性体験を綴っていきます。激情型の妻を演じたエマニュエル・セニエは『フランティック』、『ナインスゲート』、『毛皮のヴィーナス』といった他のポランスキー作品にも出演しており、実生活では彼の妻となっています。

11,ポランスキーお得意のオカルト・ホラー

mamichiru この手のストーリーがやばい。大好物。
悪魔祈祷書の調査を依頼された古書ディーラーが、調査を続けていくうちに不吉な出来事に巻き込まれていきます。近年では特殊メイクを施した役ばかり演じているジョニー・デップが、ここでは事件に巻き込まれる普通の男を演じています。悪魔崇拝がテーマという、ポランスキーの十八番ともいえる作品です。

12,ホロコーストを描いたポランスキー渾身の一作

bluegirl_beer 美しいピアノの音色と、破壊された悲惨な街の映像との奇妙なマッチング。 本当に悲しい歴史だし、だからこそ映画化する意義がある。
Higasayama_Taiyo 収容所に関する映画は、内容が残酷さに埋れてしまうと思ったけど、ピアニストが弾くピアノの存在感が凄く際立っていました。
ナチスのホロコーストを生き抜いた実在のユダヤ系ピアニスト、ウワディスワフ・シュピル­マンの半生を描いた人間ドラマ。自らの原体験に回帰したポランスキー監督の渾身作として、アカデミー監督賞、主演男優賞­といった数々の賞に輝きました。

13,ディケンズの名作を完全映画化。孤児オリバーの成長譚

whentheycry 序盤ですぐに「アイアムデビット」と重なった。 オリバーツイストはアイアムデビットとは正反対に世の中の裏を描いてる感じ。最初と最後のオリバーに対する警官の態度が特にそれだと思う。 ただメインになるのはロンドンに着いてから。 フェイギンが最後まであんなに関わってきてオリバーの純粋さには考えさせられるものがあった。最後の牢屋での2人のやり取りが個人的にな1番泣ける。それまでフェイギンひでぇなとかしか思ってなかったのに。 原作はもっと深く書かれているようなので久しぶりに本を読みたいと思った。 あと、オリバー役のBarney Clarkくんがちょうと1日前に見た美しすぎる母にも出てて素敵な表情を操る子だなぁと思いました,
イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの同名小説を映画化。孤児として生まれたオリバーが体験する様々な人生の苦悩を、愛や友情を交えて描いていきます。ポランスキーにしては珍しく、原作を忠実に映画化することに重きを置いており、リアルに再現された19世紀のロンドンの街並みも見ものです。

14,ゴーストライターにふりかかる巨大な陰謀

Ayano_Jinnouchi 静かながらも上質な社会派サスペンス。英国元首相の自叙伝を任されるユアンマクレガー演じるゴーストライターの物語。 映画全体に漂うどんよりとした不気味な雰囲気で、どいつもこいつも怪しく見えました。ラストに明かされる驚愕の真相や意外な結末にやられました。映画の始まり方と終わり方は最高です、、サスペンス映画はこうあるべきですね。観終わった後で初めて、タイトルの「ゴーストライター」の真の意味を理解できるので、繰り返し観たくなる作品。
Mamiko_Suzuki 久し振りの秀逸なミステリー! ラスト30分は「信じて大丈夫?」「えっ?そうなの!?」の連続! 真実が明らかとなったのがラストだったから、観終わった後に今までの謎を整理した。 暗い島、前任者の死、人々の意味あり気な視線と…常にミステリアスなムードが漂っており、全てを疑ってしまう。 ロマン・ポランスキーはムード作りが上手い!
ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)をはじめ、数々の栄誉に輝いた傑作。元イギリス首相の自伝小説の執筆を依頼されたゴーストライターが、知らず知らずのうちに政界を揺るがす陰謀に巻き込まれていきます。ユアン・マクレガーの軽妙なゴーストライターぶりや、元英国首相役のピアース・ブロスナンの怪演も必見。

15,醜くもおかしい、大人のケンカ模様

fmofmojimo おとなってほんっとくっだらない。一時間半にもわたる、おとなのけんか。なんも面白くないのに、なんでか目が離せない。けど、すごく共感できる。いるいる、こんなひと、とか、あー、こういうむだな反論しちゃうやんなーとか。 ジョディー・フォスター。
子ども同士のケンカの後始末をを穏便に済ませようと集まった2組の夫婦が、会話を重ねていくうちに大人同士のケンカに発展してしまうというコメディ。戯曲をベースにしており、主要登場人物が4人だけ、上映時間79分というシンプルさながら、巧みに練られた会話の応酬が笑わせてくれます。

16,現実とフィクションが倒錯していく2人芝居劇

s_p_n_minaco こちらは2人芝居。カメラが劇場へ入っていくと、脚本家マチュー・アマルリックが1人だけ。そこからは舞台という虚構世界だ。オーディションを受けに来たというエマニュエル・セニエが登場し言葉を発した瞬間、明らかに「演技」のスイッチが入るのがわかる。劇中劇と共に役や主導権が入れ替わり、意識と無意識、SとM、支配と非支配、欲望と怖れ、賞賛と批判、虚と実を曖昧に行き来する舞台上の2人。女神に託した願望を打ち砕く最後は、芝居に閉じ込められた哀れな囚人でもあり、自虐的に屈折したハッピーエンドでもあり。実は何重にも巧妙に仕掛けられた映画だった。Mが似合いすぎるマチューさんはポランスキー自身にも似ていて、その意味でも倒錯的。
youmecart グイグイ引き込まれて面白かった!マチューの目力凄い。最後の生き生きさがたまらんかった。最後は吹いたけど好き!
「マゾヒズム」の語源にもなったドイツの小説家マゾッホの自伝的小説『毛皮を着たヴィーナス』の舞台劇のオーディションを巡り、演出家と謎の無名女優が繰り広げる2人芝居劇。こちらもブロードウェイで大ヒットした舞台劇どおり、キャストもたった2人のシンプル構成ですが、現実と舞台劇が倒錯していく両者の関係を、官能的かつコミカルに描いています。