よしもとばななの珠玉の名作を映画化『白河夜船』で知る、不倫と恋愛の狭間。

2017年7月6日更新

今、もっとも旬の女優、安藤サクラを主演に迎え切ないラブストーリーが完成しました。 愛は形が見えないものなのに、形にならないと認めてもらえないもどかしさを若木信吾監督が美しく映像化。

それは、何もわからないほど、眠り込んでしまうこと。

作品タイトルでもある『白河夜船』とは、もちろんよしもとばななの原作からそのまま取ったものですが、造語でもありません。 立派な四字熟語です。 何もわからなくなるくらい、眠り込んでしまう様や知ったかぶりの様子を表す意味があります。 本作は、眠りすぎて現実からどんどん遠くへ流されてしまう主人公の心のうちを丁寧に描いています。 気だるいような、悲しいようなそのしっとりとした感覚がスクリーンから伝わって来るようです。

フォトグラファーならではの美しいシーンの連続

本作でメガホンを取ったのは、フォログラファーとしても活躍している若木信吾。 彼の手がける作品は多くの有名人からの信頼を得ており、その独自のスタイルは国内だけではなく海外からも注目されています。 人を撮ることが彼の人生と言えるかもしれません。 それは、写真に残すことや、映像として残していくことも彼の生きるあゆみなのでしょう。 目の前の人ときちんと向き合うことが、作品作りでとても大事なことだと語ります。 本作では、心のという見えない部分を探り合い、不安になり、不安を癒すために眠るということを繊細に描き出しています。

過去、映画化されているよしもと作品

よしもとばななと言えば、1987に「キッチン」でデビューしてから、多くの作品を送り出しています。 それは、海外での評価も高く映画をはじめ、6ケ国語に翻訳されて出版されているほどです。 多くの人に求められる彼女の作品は、やはり映画化されているものもたくさんあります。 森田芳光監督によってスクリーンに映しだされた『キッチン』は、女装した父親役の橋爪功が話題に。 その後、『つぐみ』『アルゼンチンババア』と映画化され、本作はよしもと作品では4本めの映画化となります。 今回の映画化について、よしもとは「これほどの完璧な映画化は奇跡。夢が叶った」と感無量の様子。

よしもとばななの世界観は独特で、死や生にについてとてもリアルに、そして身近に書かれています。 それが映画化され、スクリーンに憂いな、しかし明るい希望のようなものを見せてくれると思うととても楽しみです。