2017年7月6日更新

マーベルシリーズ スーパーヒーローたちをめぐる現代の争い

『X-メン』、『超人ハルク』、『アイアンマン』、『ファンタスティック・フォー』、『スパイダーマン』など、日本でも大人気のヒーローたち。子供のみならず、大人でもワクワクする映画ですよね。これらのヒーローたちの生みの親は、知る人ぞ知るアメリカの漫画家ジャック・カービー氏。彼が息を吹き込んだヒーローたちの背景に、スポットをあててみたいと思います。

漫画業界の歴史と著作権をめぐる裁判

漫画産業は、20世紀初頭から成り立つようになりました。しかしその実態は、漫画家が創造したキャラクターを次々に詐欺師が盗んでいくような世界。

今や彼らの創作したキャラクターは、映画において10億円以上もの価値を持ちます。しかしほとんどの創作者たちはもう亡くなっていますので、彼らの相続者たちが連邦著作権法に基づいて権利を主張し始めているのです。

著作権法は権利者の所有持ち分に関して定めてあり、創作した当時と現在ではキャラクターの価値が違います。ここが難しい争点となっています。

裁判所は既に共同製作者の相続人に対して、スーパーマンの著作権のシェアを認めました。こういった流れは巨大化し、現在はマーベルコミックスとジャック・カービー氏の相続者間で争われています。

マーベルコミックスとカービー家の争い

ジャック・カービー氏は、 『X-メン』、『超人ハルク』、『アイアンマン』、『ファンタスティック・フォー』、『スパイダーマン』、『キャプテン・アメリカ』などの大衆文化を代表するキャラクターに息を吹き込んだ漫画家です。

クローズアップされる漫画業界の過去の汚点

これらの裁判の争点はお金です。この裁判において、現代のエンターテイメント産業は昔の漫画業界で行われていた不道徳な行いを、考慮に入れざるを得なくなりました。更に、最も才能ある漫画家でさえ軽く扱われていた時代の創作活動をいかに評価するか?という根本的な問題もクローズアップされました。

ヒーローたちに息が吹き込まれる過程

マーベルコミックスは、コミック本制作プロダクションの先駆けです。マーベルによって、漫画家に既存の原稿を丸写しさせるというそれまでの漫画業界の慣習が打ち破られました。代わりに、漫画家たちは幅広い自由な創作者マインドを持つようになったのです。

マーベルコミックスの編集者であるスタン・リーは、キャラクターに細かな設定は設けず、漫画家に任せるようにします。よってカービー氏は自由にキャラクターを肉付けしたり、リー氏の設定から次々にイメージを膨らませながら作り上げていくのです。このようにして、二人は共同製作者となりました。

ディズニーのマーベルコミックス買収による影響

2009年、ディズニーがマーベルコミックスを40億ドルで買収することに決定した時点で、カービー氏の相続人たちの著作権も終了しました。そこで彼らは、マーベルの映画収入のほとんどがカービー氏の創作によるもので、自分達にはそのシェア分を受け取る権利があることを主張しています。

マーベル側は「カービー氏は会社の社員として働いていたわけで、オーナーが代わった時点でその権利も移譲される」と主張。ただし当時のわずかな史料だけでは、公判で家族の主張を取り下げるのは難しいとみなされています。著作権に関しては、実に曖昧で難しい部分が多いですね。