『アマデウス』知るともっと面白くなる事実13選

2017年7月6日更新

1983年公開されて大ヒットとなった『アマデウス』。天才作曲家モーツァルトに嫉妬し憎悪を膨らませる音楽家サリエリの狂気に満ちた行動にゾッとした人もいるのではないでしょうか。この映画のエピソードを13個ご紹介します!

1. 『アマデウス』の始まりは舞台から

モーツァルトに関する一般人の認識を大きく変えた『アマデウス』ですが、実は同名の舞台が元になっています。早くは1830年、『モーツァルトとサリエリ』という名で短編劇が上映されていました。

『アマデウス』舞台版が上映されたのは1979年ロンドンでのことで、翌1980年にはブロードウェイでも上映されました。キャストに関してもサリエリにイアン・マッケラン、モーツァルトにティム・カリーという豪華さ。最終的にトニー賞で5部門受賞という快挙を成し遂げました。

2. ルーク・スカイウォーカーがモーツァルトになる可能性もあった!?

『スター・ウォーズ』のルーク役で一躍人気となったマーク・ハミルが舞台版『アマデウス』でモーツァルトを熱演したことはあまり知られていません。

彼は映画版でもモーツァルトを演じたかったのですが、監督ミロス・フォアマンはジェダイの騎士が音楽家になる姿をどうしても想像できませんでした。ハミルはその時のことをつぎのように話しています。

「観客はルーク・スカイウォーカーがモーツァルトなんて想像できないだろう、だから君にはモーツァルト役は任せられない」と監督に言われたんだ。ストレートな言い方だったけど、曖昧に期待を持たせる表現じゃなかったことにむしろ僕は感謝しているよ。
引用:mentalfloss.com

3. 自信満々だったケネス・ブラナーが断られた理由

モーツァルト役のオーディションを受けた俳優にはブロードウェイでも演じたティム・カリー、人気が出ていたメル・ギブソンがいました。さらに英国俳優ケネス・ブラナーは自分が役を得たと思っていたのに、フォアマン監督にアメリカ人俳優を採用すると断られたそうです。

さらにミック・ジャガーもモーツァルト役に立候補して断られたのだとか。モーツァルトは彼の時代のロックスターとも言える存在なので、現代のロックスターであるミック・ジャガーが演じたらどうなっていたか少し気になりますね。

4. 絶賛されたのにモーツァルト役は獲得できず?

舞台版『アマデウス』の初公演でモーツァルトを演じたのはサイモン・カロウ。彼の演技についてフォアマン監督は「聡明でユーモアがあり、狂気、下劣さ、赤ん坊として、神としてのモーツァルトを表現した素晴らしいものだった」と絶賛しています。

しかしフォアマンは映画版でカローをモーツァルトにすることはなく、『魔笛』の台本を手がけたエマニュエル・シュネカーダーの役をオファーしました。

5.一歩間違えば大惨事、命がけの撮影

モーツァルトの時代には電球は存在しませんでした。そのため『アマデウス』でも全ての明かりに火が使われました。この撮影中スタッフは、火の使用に終始ドキドキしていたよう。

中でも実際にオペラ『ドン・ジョバンニ』が初めて公開されたプラハの劇場での撮影は緊張ものだったようです。この劇場は1783年の竣工から一切手が加えられていません。何か起こればあっという間に伝統ある劇場が炎に包まれるという緊迫した状況での撮影でした。

6. モーツァルトを完璧に演じるための主演俳優の猛特訓

数多くの俳優が名乗りを上げたモーツァルト役を見事射止めたのはトム・ハルス。『神童』モーツァルトを演じるために、ハルスは1ヶ月かけてピアノの猛特訓をしたのだそう。

1日4〜5時間の練習で、最終的に劇中のシーンで演奏するまでに。仮面舞踏会でモーツァルトが演奏しているシーンで彼の背後が映し出されますが、あれは実際にハルスだったのだそうです。

7. あの笑い方で精神を病んでしまった!?

劇中モーツァルトは何かあると狂気的に笑っていましたが、実際のモーツァルトもこのような笑い方をしていたそうです。トム・ハルスはフォアマン監督からモーツァルトの狂気性を表現するように言われ、この笑いを習得しました。

しかしその狂った笑い方にハルス自身も疲れてしまったようで、撮影から9ヶ月経っても自然に笑うことができなかったと話しています。

8. サリエリとモーツァルトの関係性が乗り移ってしまった

サリエリとモーツァルトの物語は18世紀が舞台ですが、サリエリの感情は現代にも通じるところがあるでしょう。誰かへの憧れ、嫉妬、苦悩…。実は撮影中、同じことがサリエリを演じたF・マーリー・エイブラハムに起こっていたと言います。

ハルスと(モーツァルトの妻を演じた)エリザベス・ベリッジはとても仲が良く、いつも冗談を言い合っていたんだ。僕は仲間はずれにされたような感覚がして、まるでサリエリのような嫉妬の気持ちを持ち始めたんだよ。
引用:mentalfloss.com

ハルスもエイブラハムにはライバル心を抱いていたと話しています。

たまに2人でプラハの街へシャンパンを引っ掛けに出かけたこともだったよ。でも確かにライバル心を持っていたし、彼に猜疑心も持っていたね。
引用:mentalfloss.com

映画の役とプライベートがリンクしてしまうほど、2人は役になりきっていたということでしょうか。

9.秘密警察に狙われたフォアマン監督

撮影がおこなわれたチェコスロバキアは1983年当時社会主義を採用していました。撮影チームは度々秘密警察に尾行されていたのだそう。

中でも厳しい監視にさらされたのが監督のミロス・フォアマン。もともとチェコ出身なのにアメリカ国籍を取得した後戻っていないこと、過去にチェコで彼の作品が上映禁止となったことなどが重なり、彼はある契約にサインしなければいけませんでした。

1年間の撮影期間中、ミロスは撮影後必ずホテルに戻るように言われた。そして運転手に彼の友人を使うように、と。ミロスに政治的な思惑で何かが起これば、運転手に危害が加わるということでね。
引用:mentalfloss.com

決して安全とは言えない状況下で撮影をおこなったフォアマン監督の熱意に脱帽ですね。

10.撮影に潜んでいた秘密警察

また、オペラ『ドン・ジョバンニ』のシーンびもエピソードが残っています。

撮影日のうちある1日は7月4日、アメリカの独立記念日でした。フォアマンが「アクション!」と叫ぶと、巨大なアメリカ国旗が掲げられ、500人のエキストラが立ち上がってアメリカ国歌を歌い出したのだとか。立ち上がらなかったエキストラは30人は撮影現場を後にし、その後秘密警察のメンバーであったことが明らかになりました。

11. 端役ながら重要な役どころを演じた若手女優

ロールというメイドを演じたシンシア・ニクソンは当時17歳。端役に思えますが、サリエリの密偵を兼ねていたという重要な役どころです。その当時ニクソンはまだ子役という印象を持たれていましたが、この映画でそのイメージの脱皮を図るために、海外での撮影を了承したのだと言います。

私は「あなたの映画にとても出演したいんです、でも1つだけリクエストがあるの。もし2日連続で撮影に間が空いたらアメリカに帰るわ。」って言ったの。フォアマンは了承してくれたわ。
引用:mentalfloss.com

ちょうどこのとき高校生活を終えようとしていたこともあり、ニクソンと彼女の両親はとても慎重になっていたのだそうです。

12. モーツァルトとマイケル・ジャクソンがコラボ?

プロモーションにも独特の発想が取り入れられた『アマデウス』。なんと現代のロックスターとモーツァルトがコラボするという発想が取り入れられたのです。

KISSやマイケル・ジャクソン、デヴィッド・ボウイにマドンナらの画像が『交響曲第25番』に合わせて映し出される映像は話題を呼びました。