2017年7月6日更新

子役の演技に胸が締め付けられる感動映画『人の望みの喜びよ』情報まとめ

辛い状況下でも人は生きていかねばならず、それは大人だけではなく子供にも言える事です。本作『人の望みの喜びを』は、重いテーマを扱いながらも温かさと希望にも溢れた作品となっています。

感動ドラマ 映画『人の望みの喜びよ』

震災の悲惨さと子供たちの苦悩

人の望み1

【あらすじ】 突然の凄まじい震災で難を逃れた幼い姉弟。しかし、彼等の両親は震災で命を落としてしまう。姉は12歳の春奈(大森絢音)、弟はまだ5歳の翔太(大石稜久)、2人は両親との別れを惜しむ間もなく、両親を失った自覚すら持てない状況で親戚の家へ身を寄せ、自分の意志と反して日常の生活に慣らされていく。しかし、翔太は唯一両親の死を知らず、両親への思いを募らせる。姉の春奈は自身も幼いながら両親の死と、弟への思いの間で板挟みになり1人苦悩していく。春奈は何とか秘密を守らねばと必死に隠すが・・・・。

ベルリン国際映画祭で高い評価

人の望み3

監督の杉田真一は本作が長編映画デビューとなります。デビュー作にして第64回ベルリン国際映画祭でジェネレーション部門スペシャルメンション受賞の他、新人監督賞にノミネートされました。「出演した子供達が素晴らしく、震災の体験に引き込まれ涙ぐむ程に感動しました」と審査員からも高い評価を受けました。杉田監督自身も阪神淡路大震災を経験しており、経験から得た震災の悲惨さや人々の苦悩を創作の域を出たレベルで描いた事が高い評価に繋がったと言えるでしょう。

素晴らしい2人の子役演技

人の望み4

この映画は、そのほとんどが子供達の物語です。しかも、なるべくセリフを排した演出をしている為に、動きや表情などで全てを表現しなくてはならなかったのです。にも関わらず、大森絢音と大石稜久の2人の子役は、その難しい役どころを見事に演じ切ったのです。演出やプロットもさることながら、本作が最も評価された一番の要因は彼等の演技によるところが大きいのです。事実、ベルリン国際映画祭でも、2人の演技が高く評価されました。2人の子役はそれぞれにキャリアを積んでいるものの、可愛いだけでは許されない演技を要求される本作に挑むのは一種のチャレンジでもあったでしょう。そのプレッシャーを見事に制御し、素晴らしい演技を見せたのです。

人の望み5

引用: eiga.com

震災の悲惨な状況の中で、多くの物を失った人達。子供は親を失い、親は子供を失う。そんな重いテーマを扱ったこの映画には考えさせられることが多いと感じます。しかし、重く暗いだけでは無く、人々の思いや絆、家族や姉弟の繋がりを描き、そこに温かさと人の成長を窺える作品になっています。静かに淡々と進んでいく物語の中に、子供達の激しい感情が胸の奥で渦巻いているのが涙を誘わずにいられない映画です。3月28日に公開になる本作を是非劇場でご覧になる事をお薦めします。